マインドフルネス療法は、わかりやすく言うと呼吸法や瞑想法などを通して、「今、ここ」での自分の心や身体の状態に気づいていくことです。それは、自分だけに留まらずに置かれている状況や他者の状態に対しても同様です。「今、ここ」をあるがままに観察するようなイメージです。
生育歴において、親からの威圧的態度・暴言や暴力、または長期にわたるいじめなど、緊張を強いられる環境で育つと、過覚醒の状態(この場とは関係の無い事でも、常に何かしら考え事をしている)がスタンダードとなり、慢性的な疲労感に包まれる状況が続くようになります。また、発達障害などでもこのような現象が生じる場合もあります。思考の内容によっては、激しい怒りや不安などの感情がおそってきて、我慢できずに衝動的な行動に出てしまう場合があります。マインドフルネス療法によって、マインドフルネス・スキルを磨くことで過覚醒の状態を和らげたり、圧倒的な感情から意識を逸らす効果が見込まれます。
そして大切なことは、なるべく自分のフィルター(認知)を通さないであるがままに物事を見つめることにあります。そのフィルターが恐れや怒りの感情に囚われていると、正確に物事を見ることが出来ずに、思い込みなどで人間関係を壊していく可能性もあるからです。
マインドフルネス療法には、呼吸や身体の状態に意識を集中したり、音や目に見える物や空間に意識を集中したり、心の状態に集中するなど、今ここにおかれている自分に集中するためのさまざまな方法が用意されています。
マインドフルネス療法は弁証法的行動療法などにおいても中核をなす療法です。また、ストレスを和らげるなどストレスコーピング(ストレス対処法)の効果もあります。ご相談・ご質問などございましたらお気軽にお問い合わせください。
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