カウンセリング内容やカウンセラーについて知りたい方は、まずこちらのトップページをご覧ください。
カウンセリング方法・お問合せ・ご予約・料金・アクセスなどに関してはこちらをご覧ください。
愛着(アタッチメント)とは、人との間に築かれる深い情緒的な絆のことです。特に、乳幼児期の母親との関係性が、後の人間関係や自己肯定感に非常に大きな影響を及ぼします。母親との関係が希薄だと、自分の中に安心感を育てることが出来ずに、常に不安感に付きまとわれます。それは特に人間関係において見られます。母親のタイプ、接し方にもよりますが、単にネグレクトだけにはとどまらずに、心に寄り添ってもらえない、支配的、過干渉などの場合でも愛着は傷つきます。この愛着に関する理論(愛着理論)はイギリスの精神科医ジョン・ボウルビィが提唱した理論で、心理学・発達学・臨床の分野で広く使われています。また、愛着における苦しみはアダルトチルドレンの苦しみとも重なる部分がとても大きいといえるでしょう。
愛着の問題から生じる苦しみには2種類あります。愛着障害と愛着スタイルと言われるものです。愛着障害は文字名の通り、愛着の問題が生きる上で精神的治療を要する深刻な問題にまで発展している状態です。愛着スタイルは、そこまではいかずに思考や感情の傾向、あるいは癖のように考えていただければよいかと思います。ただし、その感情の強さいかんでは障害までいかずとも、十分に生きる上での苦しみとなることも考えられます。以下に簡単ではありますがこの2つの解説を加えたいと思います。
●愛着障害には2つのタイプがあるといわれています。
・反応性愛着障害:他者への過剰な警戒感、不信感を持ち、感情を閉ざして関わることを回避する。
・脱抑制型愛着障害:他者に対して初対面でも馴れ馴れしく接する。無差別的な甘えや衝動的な行動が目立つ。
特に子供時期に顕著に表れやすいですが、成人してからもその症状は続き、良好な人間関係形成の妨げとなります。
●愛着スタイルには4つのタイプがあるといわれています。
・安定型:他者を信頼し、適切に頼ることができる。感情表現が自然で、自己肯定感も高い。
・回避型:他者に頼ることを避け、自立を重視。感情を抑えがちで、親密になることに不安を感じる。
・不安型:他者に過度に依存し、拒絶されることへの恐れが強い。相手の反応に敏感で自己肯定感が低い。
・恐れ・回避型:親密さを求めつつも恐れて避ける。両極端な反応が混在し、関係性に混乱が生じやすい。
これらは障害ではなく、傾向(スタイル)として考えられています。ただし、その強さいかんでは大変な苦しみとなることも考えられます。愛着障害と愛着スタイルをどのように見分けるかに関してですが、愛着障害には一応、診断基準があるもののその苦しみは当人にしか分からず、それがあきらかに生きづらさと感じて苦しんでいるようであれば、障害と呼んで差し支えないのではと考えます。
心の中に、安心できる人や居場所が感じられない愛着に問題を抱えている方にとって必要なのは安心できる人と居場所です。カウンセラーは、まずカウンセリングの場が安心の場、つまり安全基地になるように努めます。それにはある程度の時間を要します。無理に関係性を深めようとすると、逆に不安、ストレスの場になってしまいかねないからです。対話を通して信頼関係を結んでいくと共に、弁証法的行動療法や交流分析、スキーマ療法、フォーカシング、マインドフルネス療法などを適宜組み合わせて、ありのままの自分への気づき、考え方のクセ、母親との関係が今の人間関係にどのように影響を及ぼしているのかなど、丁寧に無理のないように見ていきます。
自分の内面と向き合ったり、過去の母親との関係と向き合うことは痛みを伴う取り組みです。そこには悲しみやくやしさ、怒りなども生じることでしょう。カウンセラーはその気持ちに寄り添います。決して否定などはしません。そのような安心できる場で、自分が押し殺していたかもしれない感情をしっかりと感じてあげることで、それが癒しへと昇華されていきます。その中で、新しい人間関係を築いていくための方策を模索していきます。例え今までが苦しかったとしても、その方法しか生きる術がなかったのですから、それを手放して新しい生き方に取り組んでいくことは怖さも生じるであろうし、勇気も必要です。出来なかったとしても自分を責める必要は全くありません。すでにカウンセリングを受けていること自体が変わりたいとの意思の表れなのですから。カウンセラーはそのような方に、寄り添い出来ることから少しずつでも取り組めるようにお支えいたします。共に新しい生き方の道を歩んでいく伴走者のようなものとお考えいただけたらと思います。
ご自分も愛着に問題がありそうだと感じたり、人間関係で生きづらさを感じてる方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお問合わせやご相談をいただけたらと存じます。この問題にお一人で取り組むとさらに苦しくなることが往々にしてあります。さらに苦しかった思い出が強化されてしまい、時には恨みの感情や自己憐憫の感情がわきおこって苦しみもがくことになりかねません。
カウンセリングを通してありのままの自分を見つめ、気づいていくことで多くの方が新しい生き方へと踏み出していくのを目にしてきました。あなたが、過去の囚われから解放されて、自分らしく自由な生き方の歩まれる一助になることができましたら幸いです。