人間関係において怒りや恐れの感情に囚われることが多くて苦しいという方へ。「五感に集中するマインドフルネス療法」をご紹介します。

五感を意識するイラスト

 人間関係における怒りや恐れが生じて苦しい時、それを取り払おうと思えば思うほど益々囚われていきます。特に幼少期に虐待やいじめなどに合って心に傷を負ったアダルトチルドレン複雑性PTSDなどの方はその感情の衝動がとても強く、苦しまれていると思います。また、自閉スペクトラム症(発達障害)の方なども、その特性により周囲の理解のなさからスケープゴート(集団でのいじめ)の対象にされ、同様の苦しみを感じているのではないでしょうか。その苦しみがゆえにアルコールなどに依存してしまう方もいらっしゃいます。そのような方にはマインドフルネス療法がおすすめです。マインドフルネスは、苦しい感情や思考を手放して、今、この場所この瞬間に意識を向ける療法です。今回は今、この場においての五感に意識を集中するマインドフルネス療法をご紹介します。普段私たちは五感を駆使して生活しているのですが、それらを意識することはほとんどありません。あらためて意識することにより、よけいな思考からの解放を試みます。目の前がスッキリして、周囲の空間が鮮やかに感じるかもしれません。ぜひ一度、カウンセリングの場にて体験していただけたらと思います。

 

●恐れや怒りに囚われていると、見えているようで見えていないのと同じです。

 

 私たちは目に見える情報や耳に入る情報、そして匂いや味覚、肌の感覚や手に持つ感覚など五感から入る情報を脳で処理して生活しています。しかし、それは自然の流れの中でほとんど意識することはありません。そして、脳はそれらの情報処理をしながらも、あらゆる思考を次から次へ処理しています。その思考が恐れや怒りに囚われていると、実際に目の前に存在しているものと見え方が違ってくるでしょう。例えば恐れに囚われていると、相手は実際には怒っていなくても怒っているように感じることもあります。仕事で間違いを指摘されてもまるで責められているように感じることもあるでしょう。ただ、その思考や感情を改善していくのには時間をかけて丁寧にカウンセリングを行っていく必要があります。そこで、思考や感情に対するカウンセリングと共に、今に集中するカウンセリング、つまりマインドフルネス療法を併用していくことが大切になってきます。

 

●あらためて五感を意識する時間を持ってみましょう。

 

 まずは静かな部屋でリラックスして椅子に座ります。深呼吸を何度か繰り返しましょう。心が落ち着いてきたら、まずは目の前に置かれている物に意識を向けます。どのような形をしているのか、色は、材質は、重さはどの位に感じますか?じっくり観察したら今度は目を閉じて聴覚に意識を向けましょう。エアコンの音や外を走る車の音、時計の音、自分の呼吸する音など聞こえてきませんか?音をじっくり感じたら、嗅覚に意識を向けます。いい香りや嫌な香りはしませんか?臭いを感じなかったら鼻の中を空気が通っている感覚を意識してみましょう。次に触覚に意識を向けます。手が届く範囲のものに触れてください。どのような肌触りですか?ザラザラしていますか?つるつるしていますか?手のひらや指先の感触も味わいましょう。

 このようにして、視覚、聴覚、触覚、嗅覚などを十分に堪能したら静かに自分のタイミングで目を開けます。マインドフルネスを行う前と行った後の感覚の違いを味わってください。何か変化はありませんか?

 

●普段の生活でマインドフルネス状態を意識して見ましょう。

 

 職場や学校、友人や家族などといる時にマインドフルネスを意識して相手の顔の表情や声などを感じてみてください。ただ、意識を相手に向けるだけで良いのです。この人は怖い人だなどと価値判断しないようにしましょう。その時の自分の感情も見てください。何か変化はありませんか?いつもより頭の中が平静な感じはしませんでしょうか?恐れや怒りがとれてくると周囲の見え方が違って人間関係の改善にもつながっていきます。

 マインドフルネス療法はありのままを捉えようとする療法でもあります。まずはカウンセリングの場においてマインドフルネス療法を受けた後、ご自宅など安心できる場でご自身にて行う事をおすすめいたします。

 マインドフルネス療法は現代の心理療法において効果が認められ、あらゆる心理療法のベースともなり得る存在です。ウェッピーカウンセリングルーム日野のホームページ内のブログ「様々な心理カウンセリングのご紹介」欄にて多様なマインドフルネス療法をご紹介しておりますので、ぜひご覧いただけたらと思います。あなたの心が癒されますように。

 

●最後に

 

ウェッピーカウンセリングルーム日野」では、主に対人関係で苦しんでいる方たちのカウンセリングを行っています。カウンセラーの上原自身も、アダルトチルドレンで苦しみ、それを乗り越えてきた経験を持ちます。その経験を活かして同じような苦しみを抱えている方たちの気持ちに寄り添いながら、その方に適した心理療法を提供してまいります。ここに挙げた心理療法もカウンセリングを通して行う事でより適切な効果を得ることが出来ます。お一人で苦しまずに、まずはお気を楽に持ってご相談いただければと思います。お問合わせ・ご相談は無料です。ホームページ内にお問合わせ先を明記してありますで、皆様からのご連絡を心からお待ち申し上げます。