まず、最初に初回カウンセリングで、お悩みについてお話を聞かせていただきます。もちろん、初対面の相手(カウンセラー)に対して話しずらい事もあるでしょうから、話せる範囲で結構です。守秘義務に関するご説明をして、安心してお話しいただける雰囲気づくりにカウンセラーは努めます。初回相談の基本はお悩みの主訴をお互いに共有するのと、それに対してカウンセリングでの取り組みのご説明をさせていただきます。ご説明の中で、今すぐ取り組めることなどのご提案をさせていただく場合もありますが、実際に心理療法を用いてのカウンセリングは次回以降になります。大切なのは、回数を重ねていく中で信頼関係(ラ・ポール)を築いていくこと。その中で段々と問題の本質に近づいていきます。
カウンセリングには大きく分けて2つの方向性があります。現在の問題に直接アプローチしていく方法と、おおもとにある本質的な問題にアプローチしていく方法です。アダルトチルドレンや複雑性PTSD、愛着が傷ついている方などは、本質的な部分へのアプローチが求められます。そのようなケースでは、最初のうちにある程度、子供時代における心の傷にフォーカスしてから現在の問題へとアプローチしてく方法と、現在の問題を通して過去に受けた傷にアプローチしていく方法があります。よく話し合って方向性の見通しを付けていきます。もちろん、カウンセリングが進行していく中で、クライエントの意向をお聞きしながら臨機応変に対応して進めてまいります。
全体の方向性を決めるだけではなく、その日のカウンセリングの流れに関しても、最初にご相談して見通しを付けた上で、進めてまいります。最初にマインドフルネスなどを数分行って、その日の気分などをご自身で感じてもらうのも大切なワークの一つです。そして、前回のカウンセリングを振り返りつつ、この間の出来事や今回のテーマの確認を行っていきます。そのテーマに関して対話を中心にするか、書き出しながら多角的に見ていくか、感情に深くアプローチしていくかなど、どの心理療法を行ってみるかなども話し合って決めていきます。最後に今回の振り返りやホームワークのご提案などを差し上げてその回の終了となります。
カウンセリングが進行していく中で、ご自身が今、どのくらいの位置に来ているのか?苦しみに関して変化は感じられるか?など、折々に確認しながら進めてまいります。その中で、ご自身の問題の本質に気づいたり、カウンセリングの目標がその本質の部分へと変化していくことがあります。むしろそれはカウンセリングの効果の表れと言ってよいかもしれません。
クライエントは、今までの人間関係において過酷な経験を強いられてきました。表面的にはその相手を忘れていても、その傷や痛みは実は消えていないことが多いのです。専門用語で転移と言いますが、過去のひどい仕打ちを受けた相手をカウンセラーに重ねることがあります。カウンセリングは誰にも話せなかったことや、話しても共感してもらえなかったことなどを話していくことで心が癒されていく場でもあります。そこにはカウンセラーに対するラ・ポール、つまり信頼関係の深まりがあるのですが、深まっていくに従い、親への共依存関係の思いと重なったり、抵抗感を感じたりするようになる可能性があるのです。それをカウンセリングに対する陰性反応と言います。
これは、ある意味自立に向けての自然な流れなのですが、この段階でカウンセリングが停滞したり自ら打ち切られたりすると、せっかくこれまで努力されて回復されてきたのがまた元にもどってしまうことにもなり兼ねません。そしてカウンセリングやご自身への嫌悪感へとつながる可能性も否定できません。カウンセラーは転移や陰性反応などに関してもご説明して、カウンセリングに対する思いをお聞きしながら、相互理解の上に健全な信頼関係を継続するように努めます。カウンセリングがAIなどの相談と違う大きな点は、リアルな人間同士のやりとりから生じるダイナミクス(相互に影響し合いながら変化していく)にあるのです。カウンセリングを通して心が揺らぎながら回復、成長への道を歩んでいく、それが人間として自然な流れなのではないでしょうか。
カウンセリングをお受けになる頻度に関しましては、クライエントの方の状況によつて一概には言えませんが、最初の内は1週間~2週間に一回程度をおすすめします。記憶がある程度残っているうちに積み重ねていくことで効果をより感じていただくことが出来るのです。ご自身での問題解決に向き合う力が付いてくるに従って、カウンセリングの間隔をあけていくのが自然な流れで望ましいと思われます。
また、終結に関しましても、問題解決に向けてご自身の力がどれくらいついたかが一つの目安となります。終結は、一つの区切りであり、フォローアップや新しく問題が生じた場合などはお気軽にまたカウンセリングをお申込みいただけたらと存じます。
カウンセリングに対する頻度や終結に関してはQ&A内にその項目を設けてありますので、詳しくはそちらをご覧いただければと思います。他にもご質問やご相談がございましたらお気軽にお問合わせください。