アダルトチルドレンからの回復に向けて:カウンセリングで磨く幸せの5つの力。

自分の中のインナーアダルトを育てましょう。

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自分を幸せにするための5つの力

●アダルトチルドレンに欠けているもの。

 アダルトチルドレン(以下ACと称す)の方に欠けているもの、それは自分を幸せにする力です。ACの方は機能不全家族の中で育ち、威圧的で支配的な親に対して親の顔色を伺い、親の機嫌を損ねないように親の期待を満たそうとして生きてきました。また、過干渉な親からは自分で考え、決める力を奪われて育ってきました。親との関係だけではなく、兄弟・姉妹の関係でもこのようなことは起こり得ます。

 本来、人間は大人として健康的に成長できた暁には、自分の人生は自分で選択して、自分を幸せにする責任を果たすための行動が出来る存在なのです。しかし、ACの方は上記に示したように自分の人生を自分で選択する力を奪われてきました。その力を取り戻し、育てていくことがACからの回復、そして自分の人生を歩き直していくために求められるのです。

●自分を幸せにするための、インナーアダルトを育てる。

 インナーアダルトはACの概念の生みの親でもあるクラウディア・ブラックと言う方が提唱した概念です。インナーチャイルドが自分の中の子供(ACでは傷ついた子供)だとすると、インナーアダルトは自分の中に存在する自分を支える力なのです。

 クラウディア・ブラックは「大人とは自分を幸せにできる人」と定義しています。それは、「自分の人生を自分で選択して歩いていくこと」と理解できます。ACの人達は、人の顔色を伺い、人の要求を満たすことで生き延びてきたので、自分の人生を生きていない、自分の人生を選ぶ力を奪われてしまっています。自分の人生を自分の足で歩いていくには、自分を支える力を養っていくことが必要なのです。それでは、どのようにしてその力を養い、育てていけばよいのでしょう。

●自分を支える5つの力を手にする。

 自分を幸せにする力、インナーアダルトを育てるために「5つの力」の存在があります。その力を手にするためのワークは、他のブログで取り上げた「アダルトチルドレンの囚われから自由になるための4つのステップ」と共に行うことでより効果が発揮されます。4つのステップが過去から現在へと縦の時間軸で見ていく取り組みなのに対し、5つの力のワークは「今」への取り組み、つまり横軸なのです。横糸と縦糸を織り込むように取り組んでいくことで、ACからの回復を強くしっかりとしたものにしていくのです。それでは、5つの力とはどのようなものでしょうか?以下にその解説をさせていただきます。

①自分を認める力

 ACの方は、親から認めてもらえなかったり、過干渉、支配的な関係で育ってきたので、健康的な自我の成長が損なわれています。何か悪い事があると自分のせいのように感じて自責の念に囚われやすかったりします。自己嫌悪感や自己否定感に包まれることもあります。まずは、現在の出来事に対してありのままの自分を否定せずに受け容れることへの取り組みが大切となってきます。そのためにカウンセリングでは、現在の出来事に対して、事実を客観的に見ていくと共に、過去に受けたACの傷がどのように影響しているかなども丁寧に見ていきます。それは痛みを伴う作業でもありますが、カウンセラーがお支えする中で根気よく取り組んでいるうちに、自分の本当の姿に気づき、そのような自分を愛おしく抱きしめてあげたくなるような感情に包まれることがあるかもしれません。それもまた、自分を認める(大切に想う)ということなのです。

②コントロールをある程度手放す力

 人は、親の脅威から身を護る術を本能的に身につけようとします。それが、コントロールです。不機嫌そうな親のご機嫌を取ろうとしたり、両親の不仲を取り持とうとしたり、もめ事が起きることを恐れて何事も起きないように周囲をコントールしようとします。また、何か起きた時にダメージが少ないように、期待しないようにしたり、あきらめようとしたり、自分の内面をコントロールしようとしたりします。それはまだ起きていない事への心配や恐怖から生じるコントロールでもあるのです。それだけでも、かなりストレスがかかるのですが、コントロールしようとどんなに頑張っても出来ないもの方が実は多いのです。全てのコントロールを手放すということではなく、出来ること、出来ないことを見分けていくことが大切なのです。しかし、コントロールしたいという欲求を手放すのはとても勇気のいることで、自分がコントロールしようとしていたこと自体に気づかないのがほとんどと言っても良いでしょう。カウンセリングでは、このコントロール欲求が自分や周囲にどのような影響を与えて、それが苦しみの要因になっていないか等を丁寧に見ていきます。コントロールへの欲求が自分を苦しめていることに気づいていくことが、手放したいという意欲につながっていくのです。

③感情を感じる力。

 ACの方にご自身の気持ちを尋ねると、思ったこと、考えたことなどの答えはいただけても、気分(感情)に対する答えが返ってこないケースが往々にしてあります。子供の頃から常に親の気分を伺ったり、周囲の顔色を伺って生きてきたために自分の気持ちに焦点を当てる余裕がなかったのかもしれません。または、自分を守るためにあえて感じないようにしていたのかもしれません。

 感情とは一つ一つを挙げればとてもシンプルなものなのです。怖い、悲しい、寂しい、腹が立つ、嫌だ、嬉しい、楽しい、心地いい、幸せな気分、などのように。もちろん、これらの気持ちが重ね合わさることもあります。その方がむしろ自然と言うか。悲しみと恐れ、寂しさと恐れ、悲しさと怒り、などのように。楽しさと不安が混ざることもあります。

 自分の感情がよくわからないと人に振り回されてしまいます。そして、自分の感情がわかったとしても表現することに罪悪感や抵抗感を感じていると、相手と対等な関係になることが出来ません。感情を出すことに抵抗があるということは自己肯定感の低さも関係してきます。

 感情を感じる力はもともと誰もが持っている力です。カウンセリングを通して、自分の気持ちを感じて、言葉にしていく作業に丁寧に取り組んでいく中で、感情を感じる力が段々と育っていくのです。そして、相手にその気持ちを伝えても良いのだということ、むしろ伝えた方が親密な関係を築けることなどを実生活を通して学び取っていくのです。その積み重ねの中で、自己肯定感も育まれていきます。

④ニーズを見分ける力。

 ACの方は自分が欲しいものを伝えることに罪悪感や恥を感じてしまいやすいのです。これは子供の頃に欲しいものを親にねだったりすると、怒られたり、馬鹿にされたりなどの否定的体験が影響しているのかもしれません。または、情緒が安定しない親の顔色を苦化がっていると、そもそもが自分の欲しいものへ意識を向ける余裕が無いのかもしれません。おねだりして、機嫌よく買ってくれる時もあれば、激怒される時もあったりすると、子供は混乱してしまいます。そして、意味も分からず自分を責めてしまようになるのです。そのような理由から、そもそも自分が欲しているもの自体がわからない方が多いのです。欲しているものとは目に見える物とは限りません。子供の頃、親に対して気持ちに寄り添ってもらいたかった、認めてもらいたかった、頑張ってるねと言ってもらいたかった、辛いんだねと言ってもらいたかった、優しく抱きしめてもらいたかった、等々・・魂が欲してるものがあったはずです。子供は自分の気持ちを言葉にするだけの能力がまだ発達していません。でも、欲しているものは確かにあったはずなのです。しかし、このような体験を積み重ねていくうちに、それを与えてもらうことに絶望したり、いけない事のように感じてしまうようになっていくのです。

 カウンセリングでは、自分が欲しているもの、自分のニーズへ気づくためのワークに取り組んでいきます。もう大人になったのにこんな子供が要求しているような事を自分が欲しがっているなんて、恥ずかしい・・などと思う方もいるかもしれません。そんなことはないのです。健全な家族の中であれば、受け取れるはずのものをあなたは受け取る機会が与えられなかったのですから。それを今、求めることに何の恥ずかしさも感じる必要はありません。自分のニーズを知り、それを正当に要求しても良いのだとの気づきが、ACから回復し、新しい人生を歩み始めるスタートとなるのですから。

⑤限界と境界を設定する力

 自分のニーズに気づき、それを満たすためには限界と境界を知る必要があります。子供の頃、親からテストで良い点数を取ることを求められたことはありませんか。頑張って勉強して、良い点数を取って褒められると思ったら、ここを頑張ればもっといい点が取れるなどと、さらに要求されてさらに努力をする。親はあなたのためと言っても、本当は親自身の要求を満たすためなのです。自分が出来なかったこと、満たされなかったことを良かれとの思いで実は子供で埋めようとしているのです。子供は自分のためと言うよりも親が喜ぶ顔を見たくて必死に勉強をします。そこにゴールと言うものはありません。なぜなら、親は子供がどんなに頑張っても満足することがないのですから。そして、子供が自分の期待に応えられなことを認めたくもありません。期待に応えた結果が得られないと落胆したり、怒ったり、子供にとってそれはもはや見捨てられ体験をくり返し受けているようなものなのです。子供にとってそれは恐怖なので、限界を超えて頑張ろうとします。その結果として親の希望の大学、就職と進むことが出来たとしても、その親から受けた強迫観念はその後の人生も支配し続け、上司やパートナーの要求に応え続けようとします。そして、疲れ果て、精神が蝕まれていくケースがとても多いのです。子供の頃から受け続けた傷は、むしろ社会に出てから深刻な影響を及ぼし始めると言っても良いかもしれません。

 ここに述べたことは一例に過ぎませんが、ACの方は大なり小なり、自分の限界を超えて頑張ろうとしたり、相手との境界が曖昧で相手の要求を満たすことに喜び(安心)を見出そうとする傾向があります。そこに自分自身のニーズは存在しません。自分のニーズを満たすための行動を取ってこなかったのですから、自分のニーズに気づいたとしても、それを満たすことに対して罪悪感や恐れを感じてしまうのです。

 カウンセリングでは自分のニーズを満たすための考え方や行動のとり方を、一つ一つ具体的に丁寧に考えていきます。そして、出来そうなところから実際の生活の場面で行動に移してみるのです。自分の限界を感じてそれを相手に伝えたり、相手に自分のニーズを要求したりすることを繰り返し行っていくことで自然と限界を知り、相手との境界が引けていくようになるのです。

●自分を幸せにできる人となる。

 ここに挙げたインナーアダルトを育てるための5つの力、それは自分を幸せにするための力でもあるのです。これらの力が育まれていくと、自尊感情がアップしていきます。つまり、自己肯定感が育っていくのです。自己肯定感が向上するということは、自信にあふれた人間になるということではありません。等身大の自分でOK、自分に優しく、許せるようになるということなのです。それは、自分に対して寛容になるということです。自分に対して寛容になれると、他者に対しても寛容になることが出来ます。「まぁ、仕方ないか」、と言うような感じで。

 そして、自尊感情が育っていくと、他者と比べる必要が無くなってくるのです。嫉妬心など人間関係の妨げとなるような感情も少なくなっていきます。自分を認めて自分の気持ちを知り、自分のニーズを知る。それを求めることへの許可を自分に出す。謙虚に自分の限界を知り、相手との境界を引いていくことで、自由になっていきます。その中で、自分を自分で幸せにする力が育まれていくのです。

 また、人は生きていれば苦しい事にも必ず遭遇します。それが人生でもあるのです。その苦しみを受け容れながら自分を愛せるようになる、そして人への愛とつながる。新しい生き方を選択し行動に移していくことは怖くもあり勇気が求められる事です。カウンセラーは常にあなたの心に寄り添いながら、ACからの回復の道、新しい人生の道を歩いていくための伴走者になりたいと願っています。よろしかったら、ぜひお気軽にお問合わせやご相談いただけましたら幸いです。