アダルトチルドレン(AC)とそのカウンセリング

 アダルトチルドレンとは、子供の時の心の傷を抱えたまま大人に成長した人たちを指し示す概念です。疾病や障害名ではありませんが、その苦しみや障壁は病気や障害と言って余りあるくらい強いものがあります。(もちろん子供の頃に受けた障壁の強さによって違いはありますが)

 機能不全家族(家族内において威圧的な態度や暴力・暴言を吐く者が存在し、常に緊張した関係にある家族関係。あるいは親が過保護・過干渉で子供を支配するような関係)の中で育つと人間はどうなるでしょうか?自分は愛されている、守られている、尊重されているなどの安心感や自己肯定感が欠落し、対人不信・対人恐怖などが生じて常に緊張して人の顔色を伺いながら、その後の人生を生きるようになるのです。

 

例えば子供の時の親との関係で以下のような経験はありませんか?

●好きなことや、やりたいことをいつも否定された。

●お前はダメな奴だとか弱虫だとか言われて、褒められた経験がない。

●お前がいるから離婚したくてもできないんだ、お前のために我慢してるんだ、などと言われた。

●怒鳴り散らされた。または、殴られた。

●両親が不仲で喧嘩するといつも隠れておびえてた。

●親がお酒を飲むと豹変して恐ろしい人間となるのでビクビクしていた。

●親が不機嫌にならないようにご機嫌を取っていた。

●親が過保護であったり過干渉であったりと、親が勝手に物事を決めたり自分の代わりにやっていた。

 

このようなことを子供の時に繰り返し経験すると、以下のようなことを信念として取り込んでしまう可能性があります。

●人は恐ろしい存在。いつも自分のことを傷つけようと狙っている。

●自分はダメな人間。完璧にやらないとまた怒られる。

●人はいつか自分を見捨てて去っていく。自分はしょせん誰からも相手にされない存在だ。

●いい事を期待してると必ず裏切られる。だから最悪のことをいつも考えていた方がいい。

●自分には物事を決める力が無い、自信が無い。

等々、いつも悪い事ばかり考えて自分を守るために感情すら押し殺し、本来持っている喜びの感情や人からの愛を受け取る力さえも失っていきます。しかも、これは世代を超えて連鎖していくのです。

 アダルトチルドレンからの回復には根気を要する努力が必要です。カウンセリングでは、自分の中の傷ついて未だに怯えている自分の中の子供(インナーチャイルド)を自分自身で癒すワークや、ありのままの自分を受け入れ(自己受容)、大切に想える感情(自尊心)を専門的な心理療法を用いて育てていきます。

 当カウンセリングルームのカウンセラーもアダルトチルドレンであり、それを乗り越えて今があります。その経験を活かして、アダルトチルドレンで苦しんでいるあなたに寄り添い、苦しみから解放され自分らしく生きていくための一助になれましたら幸いです。ご相談・ご質問などございましたらお気軽にウェッピーカウンセリングルーム日野までお問合わせください。

 

●併せて関連するブログ欄もご参照ください。

※アダルトチルドレンは感情の苦しみ:感情を受け容れ、共に歩むマインドフルネスの実践。

※アダルトチルドレンの苦しみをマズローの欲求階層説でひも解く。満たされない欲求とは?

※アダルトチルドレンで生きづらさを抱えている方へ。

※アダルトチルドレンや複雑性PTSDで感情に囚われて苦しい方へ。感情を記録する。

※アダルトチルドレンの方へ。感情を解放するー感情処理法

※アダルトチルドレンの方へ。再決断療法ー生き方を変える決心をする。

※アダルトチルドレンの方へ。禁止令(~するな)ー子供の時に受けた言葉がその人の一生を縛り付ける。