自分の気持ちを伝えることが豊かな人間関係を生む。

●ストロークとは?
他者の存在を認め、認めたことを言葉や態度で相手に伝えることをストロークといいます。
このストロークにはプラスのストロークとマイナスのストロークがあります。プラスのストロークは、共感・好意的な視点から発するメッセージで、受け取つた側は気分が良くなります。マイナスのストロークはそれに反して批判的・敵対的な視点からのメッセージで、受け取った側は気分を悪くしてしまいます。
プラスのストロークで交流している時は人間関係が上手くいっている状態で、マイナスのストロークが働いている時は人間関係が上手くいかずにギスギスしているような状態になりがちです。
●人間はストロークを欲する生き物。時にはマイナスのストロークでさえも。
人間は社会の中で人と交流していく生き物です。ギリシアの哲学者アリストテレスは、人間を「社会的動物」と称しました。その事からも、このストロークは必要不可欠なものであり、人間は無意識レベルで欲するのです。人間は肯定されると喜びを感じますから本能的に肯定的なストロークを求めます。しかし、ストロークそのものが得られない状況に陥ると、マイナスのストロークさえも、無いよりはましとの思いで欲するようになります。その結果、マイナスのスパイラルに陥ってしまうことがあるのです。
●具体的なストロークの表現例。
それでは、ストロークにはどのような表現があるのでしょうか?以下にいくつか例を示します。
●プラスのストローク
身体的表現:手をつなぐ。なでる。抱きしめる。等
言語的表現:励ます。褒める。慰める。共感する。等
非言語表現:うなずく。微笑む。見守る。等
●マイナスのストローク
身体的表現:殴る。蹴る。ぶつかる。等
言語的表現:悪口を言う。罵倒する。けなす。否定する。等
非言語的表現:見下す。にらむ。軽蔑する。等
いかがでしょう、わかりやすくお伝えするために割と極端な表現を用いてみました。
また、幼少期に親から受けるストロークは特に大切で、マイナスのストロークを強く受け続けると、人生において人間関係で苦しみ続けることになり兼ねないのです。逆にプラスのストロークが強いと、自己肯定感が生まれて、割とスムーズな人間関係を構築することができるようになっていきます。
●豊かな人間関係を構築するのに必要なストロークは?
また、豊かな人間関係を作り上げるのには、相手に対してプラスのストロークを与えるだけではなく、適切な自己表現も大切な要素です。自分自身を肯定的に捉えて、相手に自分の気持ちを伝えること。わかりやすく言うと、我慢しない、謙遜しない、はっきりと伝える、ことなどです。このように言うと自己中心的に感じる人がいるかもしれません。日本の文化では、耐えるとか、謙遜する、自分のことは言わないようにする、などが美徳と捉えられる向きが昔からあるからです。しかし、それでは結局は上辺だけのお付き合いしか出来ません。豊かな人間関係を築くには、しっかりとした自己表現も大切なのです。そうでないと相手は自分のことを理解することが出来ません。もちろん、相手の事を理解することも同様に大切です。双方がバランスよく交流すると、より親密で良好な関係が築けるでしょう。
●ストロークの交流パターンとは?
ストロークは一方通行では成立しません。双方の相互交流にて成り立ちます。以下に交流パターンを三つに分けてご紹介します。
①相補的交流:スムーズに交流している状態
②交差的交流:行き違いなど、交流がかみ合わない状態。
③裏面的交流:言葉と本音が違っている状態。
②と③の交流パターンの場合、ぎくしゃくした交流に陥りやすくなります。
また、この交流パターンの根っこには大きく分けて三つの自我状態(P・A・C)が存在していると言われています。この三つの自我状態に関しては、詳しくご紹介したブログのリンクを貼りますのでご一読いただけたらと思います→交流分析に関するブログ
●まずは自分を知る事から。
人間関係でつまづくと、とかく相手の欠点などに目が行きがちですが、例え相手の方に明らかに非があったとしてもそれを変えさせることは困難であり、無理であると言っても過言ではないかもしれません。そこでカウンセリングでは、まずは自分自身を客観的に見ていく事から始めていきます。自分はどのようなストロークを使っているのか?自分の交流パターンはどのような傾向が強いのか?そしてその要因となっているものは?などを見ていきます。
自分一人で見ていこうとしても、どうしても主観や感情が入りますから客観的に見ていくのは難しくなります。カウンセラーという鏡を通すことでより客観的に見ていく事が可能になります。
その上で、自分の交流パターンの問題点に気が付いたら、より良い交流パターンへの変容を目指していきます。
●よろしかったらぜひ一度ご連絡ください。
いかがでしょうか。この記事をお読みになってストロークや交流パターンの分析、またはカウンセリングにご関心を抱かれたり、人間関係や生きづらさを感じている方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ウェッピーカウンセリングルーム日野・東京までお問い合わせいただけたらと存じます。よりよい人生を歩まれていくための伴走者になれましたら幸いです。
あなたの心が癒されますように。