恋愛関係などで自分を苦しめている「フィルター」をカウンセリングで外しましょう。

思考のフィルターを外すイラスト

 過去にとても辛い別れなどを経験しているとそれがトラウマになり、パートナーとの間に少しでもその傷に触れるような出来事があると、「私から離れていくのに違いない、結局はそういう運命なんだ」、などと決めつけて自分からそのような行動に出てしまう場合があります。強い恐れの感情が同時に伴い、他の考えに思いを馳せることが出来なくなるのです。このように強い感情に囚われて一つの考えでしか物事を見られないことを「フィルタリング」といいます。このフィルタリングをしている限りは新しいパートナーとの出会いがあったとしても、同じことを繰り返してしまいます。そして、さらにフィルターは強化されていきます。絶望感や寂しさを埋めるために、過食嘔吐などの摂食障害や買い物依存、アルコール依存、性依存など不適切な対象へ依存して安心を求めようとしてしまうこともあり得ます。このフィルターを一人で取り除くのは至難の業です。カウンセリングを通して、自分のフィルターにまずは気づいて丁寧に取り除いていくことをお勧めいたします。ご自分にもその傾向があると気づかれた方はぜひご一読いただければと思います。

 

●まずは自分のフィルターを外在化してみよう。

 

外在化するとは、自分の中から取り出して客観視することを言います。この場合は自分の思考のフィルターがどのようなものなのかを客観視することを指します。では、どのように外在化していくのでしょうか?。それは「記録をする」という事です。そして分析します。何が起きたのか→その結果どのように考え、どのように感じたか?→それらを支持する証拠は何か?→それらに相反する証拠は何か?→両方の証拠を考慮した上で新しい考えや感じ方は何かないか?→その考え方に基づいたより健康的な対処の仕方は何か?というように。

 

●相反する証拠はなかなか思いつかないかもしれません。

 

 思考のフィルターを記録するときに生じた考えを支持する思考はすぐに思いつくのではないでしょうか。例えば、「パートナーとの関係がまたダメになる、どうせ私には魅力が無い」との思考が生じたとします。それを支持する証拠として過去における恋愛関係の破綻が思い出されるのではないでしょうか。それに相反する証拠、いわばそれを否定する証拠はなかなか思いつかないかもしれません。なぜなら、そのようなことは考えたこともないのですから。でもあきらめずに、わずかでもよいのでその糸口を見つける努力をしてください。例えば、「私には魅力がない」との考えを否定する証拠として、果たして本当に魅力がなかったとしたら、恋愛関係そのものが成立しないのではないでしょうか。少なくともあなたに引き付ける魅力があったから、パートナーができたのではないでしょうか。せっかく恋愛関係が成立したのに、あなたの「フィルタリング」により自ら破綻を招いてきたのかもしれません。

 

●両方の証拠に基づいた考えはないか、自分に尋ねてみましょう。

 

それでも、あなたは今までの思考を支持する証拠に執着するかもしれません。その証拠も踏まえた上で、あえて相反する証拠も考慮して他の考え方はないか自分に尋ねてみましょう。その結果として「私は今までに辛い別れを経験してきたから、またそうなるかもしれないと考えても仕方ない。でもそれと私の魅力とは必ずしも関係ないかもしれない。自分を卑下することはやめよう。」という考えに至るかもしれません。

 

●フィルターが外れると行動も変わってきます。

 

 上記のように、「フィルタリング」をせずに新しい考えに至れば、おのずと行動も変わってくるでしょう。今までだったらパートナーに嫌われた証拠集めをして、相手の気持ちを試すなどの自ら関係を壊すような行動に出ていたかもしれません。しかし、少しでも考えが変われば嫌われたように感じたのは思い過ごしかも。今度会った時に聞いてみようかな?などと事実と向き合うような行動を取ることが出来るかもしれません。少なくとも破綻の道には直結しないでしょう。

 

●カウンセラーとの対話を通して、相反する証拠を探していきます。

 

 最初は、なかなか相反する証拠を見つけることは難しいかもしれません。なぜなら、自分を苦しめている困難な部分のみを見る習慣がついてしまっているのですから。そこで、最初のうちはカウンセラーとの対話を通して相反する証拠を探していきます。せっかく証拠が見つかってもそれを否定したくなることもあるでしょう。カウンセラーは話し合いを通して事実に目を向けてその証拠を提示していきます。この作業を丁寧に根気よく続けていくことで、段々と強化し続けてきたフィルターが弱まってくることでしょう。

 

●フィルターが外れてくると見えなかったものが見えてきます。

 

 

 今までは、暗く一点しか見えなかったフィルターが弱まってくると、暗い世界に段々と日が差してきて今まで見えなかった色々な情景が見えてくるような感覚になるかもしれません。それはある意味、希望という言葉に置き換えても良いでしょう。カウンセリングによる心理的治療は一挙手一投足で良くなるというものではありません。そのような魔法のようなものではなく、努力を根気よく積み重ねることで気が付いたら見える世界が変わっていた、というような感覚を受けるでしょう。また、本人は変わっていないと感じていても周囲の方が変化に気づくことも多くあります。カウンセラーは、ご本人が良くなるための道のりを一緒に支えながら歩いてく伴走者です。この記事をご覧になってカウンセリングに関心をもたれましたら、お問合わせ・ご相談は無料ですので是非一度ウェッピーカウンセリングルーム日野宛までお気軽にご連絡ください。あなたの心が癒されることを願って。