対人関係スキルに大切なアサーションとは?-マインドフルネス・スキルの活用。

自分自身、そして相手、双方を理解する。

アサーションのためのマインドフルネス・スキルのイメージイラスト

●人との交流で大切なアサーションとは?

 アサーションとは、自分の望みを要求する、ノーと言える、なおかつ相手との関係性を壊さない、ための交渉スキルと言えます。

 自分の望みを要求すると言っても、相手が納得していないのに押し通すのであれば、その後の人間関係はうまく運ばないでしょう。かといって相手に譲ってばかりいても、それは抑圧となってやがては相手に対して恨みの感情をいだくことにもなりかねません。断ることが出来たとしても、一方的に断るのであれば相手に負の感情を抱かせてしまうかもしれません。このように、円滑な人間関係を構築するには配慮を要します。では、アサーションをするためにはどのようにすればよいのでしょうか?

●アサーションのためにはマインドフルな注意が大切。

 人間関係への配慮に有効なスキルがマインドフルネス・スキルです。これはアサーションのためのベース(基礎)ともなるスキルと言っても良いかもしれません。一言に人間関係と言ってもそれは多岐にわたります。夫婦・恋人・親子・友人・同僚・あるいはショップの店員さん、等々全てが人と人との交流です。

 好ましい人間関係を維持するには、相手の感情や反応への気づきが大切です。それに加えて自分の感情や思いへの気づきも大切です。どちらか一方だけでは偏った見方になってしまいます。そのような見方では、人間関係がぎくしゃくし、やがては破綻してしまう可能性もあります。そして、気づきを得るためには、相手にも自分にも注意を向けることが必要となります。注意を向けるということは「今、この場に留まる」ということです。過去のことを思い出してそれに囚われたりすることではありません。そのために役立つのがマインドフルネス・スキルなのです。

 実はマインドフルネスのマインドフルな状態と言うのは、「今、ここ」の状況をあるがままに見ることにあるのです。「状況」には、自分、そして相手の感情、思い、行動、全てが含まれます。マインドフルネス・スキルを磨くことによってマインドフルな状態に身を置けるようになることを目指します。アサーションを行うにあたって重要なのは、「マインドフルネスな注意」を向けることにあるのです。

●マインドフルネス・スキルを磨くには?

 マインドフルネス・スキルを磨くための具体的な方法は、当ホームページのマインドフルネス療法のページをご覧いただけたらと思います。そこに様々なマインドフルネスに関するブログ記事をリンクしています。呼吸を始めとした身体的な感覚(いわゆる五感など)に意識を向ける手法から、自分の思考や感情に意識を向けるものまで様々な手法をご紹介しています。

●アサーションのために必要なこと。それは自分を知ること。

 マインドフルネス・スキルを使って自分自身を見つめるにあたって大切なのは、自分自身の思考のクセや思考から生じる感情などを知っておくことです。例えばアダルトチルドレンの方のように、養育者から緊張を強いられる関係の中で育つと、人に対する恐れや不信、怒りなどの感情が内在している可能性があります。その感情を相手に投影(自分と同じように相手も感じていると錯覚する)している可能性もあります。そうすると正しく相手を理解することが出来ません。防衛本能から身構えて、相手を攻撃するか迎合する行動に出るかもしれません。それでは、せっかくのマインドフルネス・スキルも諸刃の剣となりかねないのです。このような理由からも、より深く自分のことを知っておく必要があるのです。

●アサーション・スキルを磨くために一緒に取り組んでいきませんか。

 人間関係を円滑にするために有効なアサーション・スキル。そのために大切なマインドフルネス・スキル。そしてより深い自分自身への理解。これらに対してカウンセリングでは、カウンセラーが伴走者となって、その人のペースや個性に併せて丁寧に取り組ませていただいています。。

 もし、カウンセリングの事なども含めて何かご相談やご質問がございましたら、お気軽にお問合わせフォームよりご連絡ください。 人間関係がうまくいかずに悩まれている方を、少しでもお支え出来ましたら幸いに存じます。