マインドフルネスの三角関係とは?

●感情や思考が頭を巡る苦しみ。
アダルトチルドレンの方は幼少期における家庭内の緊張した環境を生き延びてきたために、常に人からどう思われているかが気になっていたり、あるいは感情が左右された出来事が頭の中にインプットされていて、それが次々に生じたりする傾向があります。特に一人でいる時に。料理や食事をしている時も同様です。ぼーっとすることが出来ずに常に何か考え事をしているような状態とでもいえばよいでしょうか。ですから、その時間をネットの動画サイトなどを見続けることで回避しようとすることもあります。または、昼間からでも一人でいる時はお酒を飲むようになってアルコール依存症の道をたどる人もいます。依存症は、アダルトチルドレンの2次障害とも言えるのです。
誰かといても、人間関係で疲弊する。一人でいる時でさえも疲弊してしまう。気が休まるのは何かに没頭していたり、依存していたりしてる時だけ。その影響はもちろん肉体にも影響を及ぼします。アダルトチルドレンの方は身体の力を抜くことが苦手です。緊張している状態が常態化しているからです。ですから肩凝りや首痛、背中の痛みなどを感じている方も少なくはありません。これは、当事者でなくてはなかなか理解することが難しい現象とも言えます。
●マインドフルネスとは?
では、なぜそのように感情や思考が頭をめぐる方に、マインドフルネスが有効なのでしょう。そしてマインドフルネスの三角関係とは?それを説明する前にまずマインドフルネスとは何かをお伝えしたいと思います。
マインドフルネスとは、一言で言うと「ありのままの受容」と言う事になります。これだけでは漠然としすぎるので、もう少し具体的に言うと、「思考や感情に囚われている自分も、その場の出来事も、相手の事も、いいとか悪いとか評価しないで、そのままを見る、観察する」というようなイメージでしょうか。
そしてマインドフルネスを活用した心理療法、つまりマインドフルネス療法には様々なやり方があり、呼吸や五感等の身体感覚に集中する方法がマインドフルネスの入り口としてはポピュラーかと思われます。ありのままの身体感覚を感じ取る(観察する)というようなイメージです。アダルトチルドレンの方は、過覚醒といって常に頭が働いている状態なので、この身体感覚を普段あまり意識することがありません。それなので、最初は感じ取ることが難しいかもしれませんが、日々継続して行っていく事で段々と感じる事が出来るようになってきます。
●マインドフルネスの三角関係。
次にマインドフルネスの三角関係の説明をします。三角ですので三つの頂点が存在します。それぞれが何を指すのかを次に示します。
A:「今、ここ」での現実の自分、状態(身体感覚や取り組んでいることなど)。
B:無意識のうちに、「今、ここ」での自分と関係のない感情や思考が生じている。
C:それら雑念が生じていることに気づく。気づいたらAに戻る。
これらA・B・Cが循環するのをイメージしてみてください。Bの感情や思考が生じるのを無くそうとするのではなく、気づいたらAの目の前の現実に戻る。それを繰り返すというような感覚です。
●それぞれの頂点は明確に分かれていなくても良い。
それぞれを明確に分けようとしなくてもかまいません。A・B・Cが混ざり合っているようなブレンドされている様な感覚、その方がむしろ自然かもしれません。それぞれが少しぼやけているような感覚と言うとイメージしやすいでしょうか。
アダルトチルドレンの方は思考を明確に分けようとする傾向があります。ある意味、白黒思考に近いというか。生きる上で身につけてきた思考なのでそれを否定する必要は全くありません。何事も否定する必要はないのです。その上で生きることが少しでも楽になるにはどうすれば良いかを考えてあとは行動に移してみる、その練習を重ねていけばよいだけなのです。ぼやけた状態、ブレンドされた状態になれてくると。はっきりした感覚は少なくなるかもしれませんが、脳の疲労も少なくなっていくのではないでしょうか。それと共に身体の疲労感や痛みも減少していくと思われます。
ぼーっとした感覚、ちょっといい加減な感覚、その位の感覚が神経が研ぎ澄まされたアダルトチルドレンの方にとっては丁度良いのではないでしょうか。
●苦しいと感じる思考や感情とも共存していく。
アダルトチルドレンの方は過酷な環境を幼少期から生き抜いてきたサバイバーです。今の苦しい感情は生き抜いてきた中で、嫌でも身に身につけてきたものなのです。それだけがんばって生きてきたのです。ですから、その感情に対してダメ出しをする必要はありません。むしろそれも含めて自分なのです。
ここに挙げたマインドフルネスの三角関係はそのような思考や感情との共存関係と言っても良いかもしれません。共存するのですから、闘うのではなく共に生きるという感覚です。そして思考や感情は外部からの影響を受けるので、常に一定したものではなく、時に激しく、時に穏やかにと揺れ動くのはとても自然な事です。生きていればこそです。そのような自分を受け容れられるようになってくると自尊心も向上していき、自然と生きることが楽に感じられるようになっていくのではないでしょうか。
●アダルトチルドレンで悩まれている方、生きづらさを感じている方はお気軽にご相談ください。
最後になりますが、アダルトチルドレンの生きづらさを抱えて悩まれている方、そしてここに挙げたマインドフルネス療法やカウンセリングに興味を抱かれた方がいらっしゃいましたら、お気軽にウェッピーカウンセリングルーム日野・東京までお問合わせいただけたらと思います。生きづらさからの解放の道を共に歩んでいきませんか。ご連絡を心からお待ち申し上げます。
あなたの心が少しでも癒されますように。