人生にはそれぞれのステージにおける課題がある。

●ライフステージにおける発達課題。
人は成長していく中で乳幼児期、青少年期などいくつかの段階があり、それを称してライフステージとも呼んだりします。ライフステージによって生活環境や人間関係も変化し、それに伴う役割や課題も変化していきます。心理学の世界ではその課題を称して発達課題と称します。
●発達課題を以下にクリアできたかによって、その後の人生は左右される。
それぞれのステージにおける発達課題でつまづくと、その後のステージの発達課題にも連鎖的に影響を及ぼす可能性があります。そうであるなら、過ぎ去った過去の事を蒸し返しても意味が無いのではないかと思われる方もいるでしょう。確かに、過去は変えることは出来ませんが、自分の人生の流れを知るだけでも意味はあります。知ることができれば、それを現在、そして未来へと活かすことができるからです。カウンセリングはそのために存在しているとも言えるのです。一人では難しくても、カウンセリングにおいて心理療法を活用していただくことでそれは可能となっていくのです。
●エリクソンによる発達理論とは?
発達理論とは人間が成長していく中で、社会に適応していくためにどのように発達していくのかを研究した理論です。フロイトやピアジェのような精神科医・心理学者達が研究してそれぞれの理論を打ち立てましたが、ここでは代表的発達理論の一つでもある、アメリカの精神分析学者のエリク・エリクソンが提唱した心理社会的発達理論をご紹介します。
エリクソンは人間の発達段階を8段階に分けて考えました。ここでは分かりやすく6段階にまとめて以下にご紹介いたします。
①乳時期・幼児期
「人に対する基本的な信頼感・道徳心を育む」
親に無条件で守られているなどの安定した愛着関係を構築しつつ道徳心を学び、友達との遊びなどを通して、我慢することなども含めて他者との関係の築き方を学んでいく時期。
②児童期・学童期
「人との関係の中で生じる劣等感を乗り越える」
友達と自分を比較したり、時には喧嘩などをしながら、劣等感を感じながらも社会に適応しようと頑張っている時期。
➂青少年期
「自分を独立した一人の人間として認識する」
将来の自分の歩む道や、自分は何者かなどモヤモヤした不安の中で、試行錯誤しながら答えを見つけていく時期。
④成人期
「自分の幸せの基盤を見つける」
特定の人と親密な関係を求めて、結婚など安心できる自分の居場所を恋愛を通して等、傷つきながらも努力して求める時期。
⑤壮年期
「社会に中に自分の居場所を見つける」
家族や仕事を持ち、社会的に安定してくる中で将来の姿が現実的に見えてくることへの不安と向き合う時期。
⑥老年期
「自分の人生と向き合い受け容れる」
人生の終焉とも向き合いながら、これまでの人生を振り返り受け容れていく時期。
ポイントを言うと、子供時代は基本的な人間関係における信頼や安心を獲得する時期で、大人になってからは人生における生き方と向き合う時期と言えます。この時期をどう乗り越え、過ごしたかが人生を歩んでいく中でとても重要な鍵となるのです。
●過去は変えられずとも、今、そして未来は変えていける。
いかがでしょう、ここまで読んで自分の過去と照らし合わせて、絶望感を感じた方も中にはいらっしゃるでのはないでしょうか?特にカウンセリングに関心のある方や現在苦しまれている方などは、過去に対して負のイメージを抱いている方が多いとお見受けします。
確かに生まれ育った環境や、これまでに体験したことは変えようがありません。そして、それは運命だったのかも知れません。しかし、「夜と霧」という有名な第二次世界大戦化におけるユダヤ人収容施設体験を書した精神医学者のフランクルの考えに、「運命は変えられずとも、運命に対する態度は変えられる」というものがあるのをご存じでしょうか。
カウンセリングでは、過去の体験を丁寧に紐解き、そこからつながっている現在の苦しみへとアプローチしていきます。そして変えられるものはないか?過去にとらわれずに自分らしく生きる術はないか?などをカウンセラーが心理療法を通して、共に考え、伴走者となって進んでまいります。進んでいく中で、過去の苦しみが上書きされて癒えていくこともあります。そうなると、「今、未来」だけでなく過去も変えることも可能になるのです。
●過去の呪縛から解き放たれ、今を歩いていくために。
過去は過去として、そして「今」を自分の人生として歩いていくために、カウンセリングはそのお手伝いをする場でもあります。自分の人生を改めて振り返ってみたい方、よりよい「今」を生きてみたい方、過去の呪縛から解放されたい方、またはカウンセリングに興味を抱かれた方などいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にウェッピーカウンセリングルーム日野・東京までお問合わせいただけましたら幸いです。
あなたの心が少しでも癒されることを願って。