あなたがカウンセリング受けようと思った動機はなんでしょう?実は動機こそがとても大切なのですー動機付け面接法とは?

行動するためには動機が必要なのです。

動機付け面接イラストイメージ

●なぜ動機がそれほど大切なのでしょうか?

 カウンセリングに来られる方は、今抱えている苦しみや悩みから解放されたい、自分自身を変えていきたい、との思いで来られる方がほとんどではないでしょうか?中には、家族やお知り合いの方に進められてという方もいらっしゃるかもしれませんが、そこにはやはり何かしらの動機が無ければ、お金を払っても受けてみたいと思う方はいらっしゃらないと思います。自分でいろいろ試してみたけどダメったとの思いから期待されて来られる方も多いと思います。特に初めての方は問い合わせするだけでもハードルが高いかもしれません(欧米に比べて日本ではカウンセリングがまだそれほど身近に感じられていないのかもしれません)。

 そのため、カウンセリングをお受けになる時点でも動機は大切な原動力なのです。しかし、カウンセリングを受けていく中で、動機が弱まることがあります。それはなぜでしょう?

●変わることにも抵抗が生じる。

 クライエント(相談者)の方が、苦しみや悩みから解放されたいとの思いで自分を変えたいと思うのは自然な事です。ただし、その苦しみや悩みを伴う生き方は短い期間に身につけたものではなく、生まれて間もないころから身につけてきた可能性もあるのです(現代の心理学では記憶にない乳児期に受けてきた刺激なども影響していると言われています)。

 その生き方はまさしく自分そのもので、それを変えようとすると自分でもわからないうちに不安や恐れが生じて、変化することに抵抗感を感じるのです。その抵抗感から生まれる葛藤の中で動機そのものが揺れたり弱まってくることもあるのです。

●他の理由でも動機がぶれたり弱まることもある。

 カウンセリングは気持ちが楽になったり、落ちたりをくり返しながら段々と良くなっていくのが常です(これをゆらぎと称します)。そのような中で気持ちが楽になってくると、カウンセリングを受けたいと思った気持ちが弱まることもあり得ます。その流れでフェードアウトされたりすると、せっかくそこまで努力して回復してきたものがまた元に戻ってしまう事もあるのです。

 他にも、カウンセリングが進行していく中でご自身の課題が変化していく事もあります。そうなると当初の動機もおぼろげなものになっていく可能性があるのです。

●動機付け面接法とは?

 このようにクライエントの方の気持ちが揺れ動いたり、葛藤が生じたりするのは自然な事です。その気持ちに寄り添いながら、カウンセラーはクライエントの方が「自分の本当の気持ち」に気づかれるように意識して対話を重ねていきます(カウンセラーの考えで誘導したりはしません)。カウンセリングでもっとも大切なのは「気づき」で、その気づきが動機へとつながっていくのです。これが動機付け面接法です。

●動機は本能とつながっています。

 人間には生まれ持った本能があります。例えば共存本能もその一つで、人間は一人では生きていけないので他者と共存したいと願う本能です。この本能は、親和動機とつながっています。親和動機とは他者と仲良くしたい、お付き合いがしたい、自分のことを好きになって欲しい、と思う気持ち。心理学者のヘンリー・マレーという方が提唱しました。

 また、身を守るための安全本能というものも存在します。安心したい、守られたいなどの気持ちが動機に結びつくこともあります。そして、これは本能というよりは欲求に近いかもしれませんが、成功したい、達成したいなどの気持ちから生まれる達成動機というものも存在します。これは、心理学者のジョン・アトキンソンという方が提唱したモデルです。

 本能や欲求から生じる動機は非常に強力なものとなり得ます。これらの動機を意識したり、刺激することで、カウンセリングや自己変容のための意欲が生まれてくるのです。

●生きづらさを感じていたり、カウンセリングにご関心のある方など、お気軽にお問合わせください。

 いかがでしょうか?カウンセリングを受けるかどうか迷っている方や、カウンセリングを受けていて気持ちが停滞気味の方は、ぜひ今一度ご自身に動機を尋ねてみてはいかがと思います。また、ウェッピーカウンセリングルーム日野・東京では、クライエントの方との対話を通して押し付けにならないように配慮しながら、動機付け面接法を意識してカウンセリングに取り組んでいます。例え動機がご自身の中でまだ曖昧だとしても、生きづらさや不安感、孤独感を感じて悩まれている方や、カウンセリングにご関心を抱かれている方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご連絡をいただけたらと思います。あなたの心が少しでも癒されることを願って。