あなたという存在そのものが、かけがえのないもの。

●時として自分の人生すらも責めてしまう。
他の人が当たり前のようにやっている事が出来ない。人間関係や恋愛にも、いつもつまづいてしまう。努力はしているのに・・・。やがて疲れ果てて自暴自棄になったり、自分に嫌気がさしたり、周囲を恨んだり、引きこもったり、アルコールや薬に依存したり、自傷行為や命そのものを断とうとすることも・・・そのような苦しみを抱えながら生きている方はいらっしゃいませんか?
または、過去の人生を振り返って、親からひどい仕打ちを受けてきた、学校ではいじめを受けてきた、身体も弱く、容姿だって劣っている、社会に出てもろくな人生じゃなかった、なぜ自分はこんな運命なんだ、などのように自分の人生そのものを恨んだり社会を恨んだりして苦しんでいる方はいらっしゃいませんか?
そのような方に、あなたのすべてはOKなのです!と言っても憤慨される方も多いかもしれません。何を無責任なことを言っている、しょせんはきれいごと!などと。しかし、交流分析(TA)という心理療法では、その様な考えも含めて「全てがOK」というスタンスを取るのです。なぜ、OKなのか?以下に詳しく解説をしていきたいと思います。
●事実を見ていく。
まず、事実をありのままに見ることを意識します。しかし、カウンセラーのように心理学を学んだ者でも、事実をありのままに見ていくことは不可能なのです。なぜでしょうか?。人はその人だけの人生を歩んでいます。持って生まれた性格、育ってきた環境、そして体験してきたこと、それらが複雑に入り混じってその人だけのフィルターを作り上げます。それは意識してではなく自然に作り上げられたものなのです。そして、人は皆そのフィルターを通して物事を判断したり感じたりします。それが本人にとっては事実のように映るのです。特に自分自身が当事者になって関わることに関してはそれが顕著に表れるのです。
では、どうすればよいのでしょう?カウンセリングではカウンセラーと一緒に、自分が思ったことや感じたことが事実に即してどうなのか?他の視点での見方はないか?なぜそのように自分は思うのか?などを認知行動療法や弁証法的行動療法などを通して客観視していきます。専門的知識のある第三者と見ていくことで、事実が浮かび上がらせることが可能になります。
●過去がどのように現在に影響しているのかも見ていく。
過去を振り返らずに現在の問題だけにアプローチしていく考え方も、たしかに存在します。それで問題が解決できる場合は良いのですが、自分を責める傾向のある方は自己肯定感が育っていないことが多く、不必要な罪悪感を感じたり、完璧主義であったり、または白黒思考であったりと、その本質には不適応なスキーマが潜んでいる可能性があります。スキーマとは生育環境において、身につけてきた信念のようなものです。自分を卑下したり、嫌悪するのもそのスキーマが影響している可能性があります。
過去を振り返る取り組みは、過酷な体験をしていたりすると、それがフラッシュバックして苦しくなることもありますが、過去に蓋をしないで向き合うことも大切なのです。ひょっとしたらその体験が何十倍にもふくれ上がって、自分の中にインプットされているかもしれません。それもカウンセラーと一緒に丁寧に見ていくこと(スキーマ療法など)で、より現実的な見方が出来ていくのです。カウンセラーはクライエントの方のご様子に配慮しながら負荷がかかり過ぎないように、共に寄り添いながら過去と向き合う作業に取り組んで参ります。
●ご自身の特性なども含めて全人的に見ていく作業を繰り返します。
全人的にとはどのような事を指すのでしょうか。その人の生育歴から現在に至るまでの環境や、性格、特性など全てを含むという意味です。ひょっとしたらASDやADHDの傾向があるかもしれません。または、神経症的な何かがそんざいしているかもしれません。そして人間には得意不得意があります。もちろん長所もあれば短所もあるのが人間です。そして生まれ育った環境も様々です。同じ人間は一人として存在しないのです。
しかし、社会には同調圧力と言うものが存在し、多様性の時代と言われていても、現実には協調性が重視される社会でもあります。もちろんそれを否定するわけではありませんが、努力してもそれがかなわない方がいらっしゃるのも事実なのです。そして、社会からはじき出されて、自己嫌悪や自己卑下に陥る、その様な方がなんと多い事か。そして、フィルターはさらに強化されていくのです。
これまでに生きてきた環境や経験の中で、作り上げたフィルターを自己覚知することによって、なるべくクリアな状態でありのままの自分(全人的)に気づいていく事がカウンセリングの大きな目的でもあるのです。
●自分をゆるすとは?
上記にも挙げたように、人と違う自分、出来ない自分、そして周囲から責められたりはじき出された経験を持つと、周囲に対する恨みと共に、自分自身に対しても強い恨みを感じている方もいらっしゃいます。そのような恨みを取り除き、ゆるしていくにはどのようにすればよいのでしょうか?
その答えは既に述べたように、ありのままの自分を、事実を見ていくことにあります。見ていく中で、周囲だけでなく自分自身と必死に戦いながら生きてきた自分の姿が見えてくることがあります。この様な方は人一倍真面目に努力されてきた方が多いのではないでしょうか。そのような自分が見えてくると、人に言われずとも、自分自身を抱きしめてあげたくなる感情があふれ出すことがあります。誰に抱きしめられるでもなく、自分で自分を抱きしめたくなるのです。それが理屈ではなく、自分自身をゆるすということなのではないでしょうか。
●自分の価値を決めるのは自分だけ。
ここで「価値」についてお話ししたいと思います。人間の価値とはどのようなものを指すのでしょうか?どのくらい人の役に立っているか?優しや思いやりを持っているか?仕事や家族や友人、恋愛に対して?どのような価値観を持っていてもそれはその人の自由です。誰にも価値を押し付けることは出来ません。しかし、共通して言える価値が一つだけあるとしたら、それはその人の存在そのものではないでしょうか?障害のあるなし、年齢、性別、生きている環境、そのようなものにかかわらず、その人の存在そのもに価値があるのです。それは「尊厳」と言われているものです。そして、自分の価値を決められるのは自分だけなのです。
●自分にとっての価値が見えてくると、生き方そのものが変わってきます。
自分にとっての価値が分かってくると、自分軸で生きていけるようになります。他者と比べるのではなく、比べる対象は自分の価値であって、自分の考えや行動が価値に添っているのか、ずれているのかだけになり、生き方がとてもシンプルになっていくのです。そしてたとえずれていても自分を責める必要もないのです。そのことに気づいたら軌道修正するだけでよいのです。人生はその繰り返しでもあるのです。言い方を変えると自分を許し続けるということ。それが出来るようになると他者に対してもゆるしていけるようになります。人間関係が楽に感じられていくのです。世の中のほとんどの悩みが人間関係に関わる悩みなので、生きることそのものが楽に感じられるようになり、さらには自由になっていくのです。
●大切なのは、根気よく取り組んでいく事。
実際には、ここまで述べてきたことに対する取り組みには根気と労力を要します。大切なのは腰を据えて取り組んでいくこと。結果がすぐに出ないからとあきらめずに、根気よく継続して取り組んでいくことが新しい生き方のドアを開ける鍵となるのです。
自分を責めたり、生き方がままならずに苦しんだり悩まれたりしている方、カウンセリングそのものにご関心を持たれた方などは、ウェッピーカウンセリングルーム日野・東京までお気軽にお問合わせ・ご相談をいただければと存じます。自分をゆるし、新しい自由への道へ一緒に歩き出してみませんか?あなたの心が少しでも癒されることを願って。