異性への依存、アルコールへの依存、依存に苦しむ人たちの心理とは?そして回復のために必要なものとは?

必要なのは動機と寄り添ってくれる人。

依存イメージ
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●依存とはどのような状態を指すのでしょうか?

 依存とは、その対象や対象行動に囚われて社会生活に支障をきたしている状態と定義してもよいのではないでしょうか。仕事中もそのことが気になって仕方ない。生活のリズムも狂い始めている。人間関係にも支障をきたし始めた。健康も害している。等々、様々な症状が考えられます。

●依存にはどのようなものがあるのでしょう?

 よく言われる代表的なものにはアルコール依存や薬物依存が挙げられます。これは物質依存と呼ばれるものです。身体からアルコールや薬物が切れ始めるとものすごい渇望現象が現れて、その苦しみにあらがえずに、頭ではダメだとわかっていても、また手をだしてしまうのです。

 他にも、恋愛依存などの性の対象となる人に依存するケースもあります。いつも、相手の事で頭がいっぱいで、嫌われてないか、見捨てられないか不安で不安でしかたない、頭の中がその人に支配されているような状態です。また、人に対してだけでなくSEXなどの、行為そのものに依存するケースもあります。このような依存を行為依存と呼びます。

 さらに上げるなら、ギャンブル、買い物、ネット、ゲーム、摂食、等々様々な依存対象が考えられるのです。

●なぜ、依存から抜け出せないのでしょうか?

 一つには身体的な依存が挙げられます。アルコールや薬物などは、身体そのものが依存物質を求めてやまないので、気持ちの持ちようだけではいかんともしがたいものがあるのです。このことを理解していない人たちから見たら、精神が弱い、だらしない、等のように映って、依存で苦しんでいる人たちを非難しがちな傾向も見られます。

 また、依存の裏には幼少期に傷ついた心、対人恐怖や対人不信・孤独感・虚無感、・自尊感情の欠如など、悲しみや痛み・心の空洞が存在していて、それ埋めなくては生きていけないために依存に陥ると言っても過言ではないかもしれません。その苦しみは恐怖にも等しく、当事者だけにしかわからずに、人に相談しても「みんな同じようなものよ、あなたは甘いのよ」などと突き放されて、ますます傷つくことにもなりかねないのです。

 このように、依存に対する根はとても深く、理性だけで解決しようとしても無理があるのも事実なのです。

●それでは、解決に必要なものとは何なのでしょうか?

 まず必要なのは、動機です。なぜ、依存を手放したいと思うのか?依存から生じる苦しみや弊害は何なのかを言語化して紙に書き出すことで動機はより明確になっていきます。そして、依存から解放された時の自分もイメージしてみるとより良いでしょう。これらも、カウンセラーと対話を重ねることでより自分のことが客観的に見ることが出来ていきます。

 苦しみそのものにも依存はあるので、苦しみを手放すことさえも不安に感じるのです。苦しんでいる状態を手放すのが怖いのです。そこで求められるのは「希望」です。苦しみながらも依存を手放せたその先に「希望」を見出すことが動機を強くしていくのです。

●さらに必要なものとは?

 依存に陥る方は、心の奥に深い悲しみを抱えた方がとても多いのです。周囲に理解してもらえない孤独も抱えています。そして、依存にすがりつく自分をみじめに感じています。そして自分で自分を傷つけているのです。

 だから、必要なのは自分の気持ちに寄り添ってもらえる相手です。味方だと感じられる人間が必要なのです。その関係を築くには時間も必要です。依存傾向にある方は人を信じるのが苦手な方が多いのです。異性や恋愛に依存している人も相手を信頼できているわけではないのです。交際していても、心の中は常に疑心暗鬼で相手の気持ちを確認せずにいられない方が多いのです。

 動機がガソリンだとしたら、依存を手放していくにはエンジンを回すという行動が求められます。その行動には、傷ついた過去の傷と向き合う事も時には必要になります。それは、痛みも伴う行動です。また、依存を手放すための行動にも苦しみは伴います。それらを支えるためにも自分の心に共感し、理解してもらえる人間が必要なのです。

●カウンセラーはあなたの伴走者です。

 カウンセラーは治療者ではありません。依存を手放すための提案はしても、指示はしません。そして提案を受け容れるも受け容れないもあなたの自由です。たとえ提案が受け入れられなかったとしても、依存を手放したいと苦しんでいる方の気持ちに寄り添い、あなたが本当に望む道へと歩いていけるようになるために共に歩く伴走者なのです。

 依存を手放したいけど思うようにならない、またそのような人が身近にいて見ていて苦しい、依存かどうかは分からないけど生きづらさを感じているなど、今を少しでもよりよく変えていけたらとの思いを抱いている方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にウェッピーカウンセリングルーム日野・東京までお問い合わせいただけましたら幸いです。

 あなたの心が少しでも癒されることを願って。