過保護の弊害とは?母との共依存で苦しむ。アダルトチルドレン・カウンセリング。

過保護・過干渉のイメージ

幼少期から母親が子供に対して、あまりに過保護だったり過干渉であったりすることが、子供のその後の人生においてどのような弊害をもたらすか、ご存じでしょうか?自分の力で生きる自信が育たずに、他者に対する過度の依存心が生じます。また、物事がうまくいかないと自分を責めたり他者を責めたりするようになります。そして自己が肥大するために万能感に囚われて自分の考えに固執し、他者との争いが顕著に見られるようになります。そして極度の不安神経症になる場合もあります。何よりも母親を失う事を過度に恐れるようになります。

その恐れは激しい怒りとなって自分や他者に向けられることも大いにあり得ます。母親を亡くすと自分の人生にも意味を感じられなくなり、うつ状態となって後を追うように死を選ぶことすらあります。周囲から見ればあきらかにおかしいと思えるような行動も、本人からしてみれば身をちぎられるくらいの心の痛みが生じるのです。

ここでは、この苦しみからの解放を目指したカウンセリングの取り組みをご紹介します。よろしかったらご一読ください。あなたの心が癒されることを願って。

 

●過保護をする母親の心理状態。

どのような心理状態から母親は自分の子供に対して過干渉・過保護となるのでしょうか?一概に言えませんが、次のような心理状態が想定できます。自分が子供の時に母親の愛情を受けることが出来ずに、その満たされない寂しさを子供に対する過度な関りで埋めようとする。DVも含め、夫との関係がうまくいかずにその寂しさや暴力から自分の心を守るために子供に過度に関り、守ろうとする。不安神経症などの障壁から過度に子供を守り、干渉しようとする(不安神経症は母親から子供へと連鎖します)。これらに共通しているのは、自分自身と子供とを分離できずにいつまでも一体となっているような感覚、共依存の関係から成り立っているという事です。

 

乳幼児の頃は確かに親に面倒を見てもらわないと生きていくことが出来ません。しかし、成長と共に徐々に親の手を離れて自分で生きていく道を歩み始めていきます。親もそれを受け容れて、親子関係といえどもお互いに1人の人間として過度に依存はしなくなっていきます。しかし、共依存の関係に陥っている場合は子供が例え年齢的には大人に成長しても、いつまでも自分が世話してあげないと何もできない子供のままのような感覚が残って一人の自立した人間として認めることが出来ません。必要以上の過干渉が続くことになります。過保護だけが理由とは言えませんが共依存関係の土台となっているといっても過言ではないかもしれません。

●過保護で育つと人はどうなるか。

 過保護で育つと、成長してからも様々な生きづらさの弊害を生むことになります。そのうちのいくつかを以下に挙げてみましょう。

甘やかされて育つことにより万能感に支配され、自分は何をしても許される等の感覚に支配される。

●自分ですべきことも親がやってくれるので、自信(自己肯定感)というものが育たずに失敗することや恥をかくことを極度に恐れるようになる。

●母親への不健康な愛着により、常に孤独感や疎外感、孤立感や不安感に包まれるようになる。

●母親を失う事を過度なまでに恐れるようになる。母親が亡くなると自分が存在している意味さえも感じられなくなり、死を考える事すらあり得る。

●物事を悲観的に捉え、自分の責任でないことも自分の責任(特に母親の事となると)のように感じて自分を責めたり、他者も責めたりするようになる。

●過保護の時の状態がいつまでも心に残り、現実感に乏しく幸福感が得られにくい。

●異性に対して母性を求めすぎてしまい、健康な異性関係を構築することが難しくなる。

●母親から自立したい自分と、母の呪縛から逃れられない自分とが葛藤して、精神疾患や神経症を発症する。

  いかがでしょう。たかが過保護でここまでなるのか?と疑念をお持ちの方もおいでかと思います。確かに過保護で育てられたことだけが要因でなく、また過保護の程度にもよったり、生まれ持った気質などや他の障壁も影響したりしていることも十分考えられますが、ここに挙げたことは実際にあり得る事です。

●過保護からの生きづらさに向けたカウンセリング。

 カウンセリングの目指すところは、過保護から受けている影響や束縛からの解放にあります。そして新しい生き方を見つけ、歩んでいくことを目指します。それなので、過保護により育った当事者だけでなく母親もカウンセリングを受けられるとより良いのですが、それも難しい場合があります。まずは自分自身の問題に気づくことで共依存関係からの脱却を図りましょう。

 

 では、どのようなカウンセリングが有効なのでしょうか?自分の問題に気づくことが大切と言いましたが、その気づきの助けになるのが認知行動療法です。自分が実際に生活の上で悩んでいることや苦しんでいる出来事にスポットを当てて、その要因を客観視して探っていきます。自分のどのような思考や感情、行動が自分を苦しめているのかを紙に書き出し外在化することで、改めて自分で気づいていく事がとても大切なのです。そして、それに代わる思考や行動を考え、少しずつでも実践に移していきます。併せて自分の考えや感情が、母親との関係とどのように結びついているのか気づくためのプログラムを行います。現在と過去、両方にスポットを当てながら問題の解決に取り組んでまいります。

●詳しい内容などは、お気軽にお問合わせください。

ほとんどの方が、今自分が抱えている生きづらさの要因となっているものが何か気づかないまま、ご自分で改善しようと悩んでいらっしゃいます。また、原因よりも、問題はどうすればよいのかということだ!とおっしゃる方もいるでしょう。しかし、問題の解決には双方共に大切であり、それに一人で取り組んでいく事はなかなか厳しいものがあります。なぜなら当事者の方は問題を客観視することが難しいからです。過保護など幼少期から関わる問題は根が深いので解決のためには時間を要するのも確かです。

しかし、カウンセラーなど心理の専門家と一緒に丁寧に取り組んでいく事で問題の解決は必ずあります。ここに書かれたことをもっと詳しく知りたい方や、カウンセリングなどのご質問がございましたら、お気軽にウェッピーカウンセリングルーム日野までお問合わせください。あなたの心が癒されることを願って。