怒りや、不安の衝動に襲われた時。カウンセリングで生き方の習慣を手放す。

やりたいことをしないイメージイラスト

 幼少期に、両親から威圧的な態度を取られたり、自分を否定されて育ったりすると自分でも気づかないまま深いところに心の傷を負ってしまうことがあります。アダルトチルドレン複雑性PTSD(トラウマ)を抱えた方に多く見られます。また、ASD(自閉スペクトラム症:発達障害の一種)のように、その特性を周囲から理解されないことで、いじめやスケープゴート(集団のストレスのはけ口)の対象にされて、心に深い傷を受ける方もいらっしゃいます。そのような場合、やはり自分でも気づかないうちに心の奥に怒りや悲しみが潜むことがあり、ことあるたびにその感情が頭をもたげて衝動となり声を荒げたり、手が出てしまったり、あるいは相手に媚びを売ったりする行動に出てしまうことがあります。どれも自分を守るための行動です。しかし、その生き方を続けている限りは健全な人間関係は築けません。相手を支配しようとするか依存するかの関係になってしまいます。ここではカウンセリングによる対処法の一つをご紹介します。よろしかったらぜひご一読ください。

 

●適切な行動を取る。

 

 適切な行動を取るとはどのようなことを指すのでしょうか。カウンセリングでは「やりたいことをしない」ということに焦点を当てます。これは今起きていることに対処するにあたって、自分の考えや感情に反したとしても、その瞬間において適切な行動を取るという事です。

 例えば、あなたが車の運転をしていて渋滞にはまっていた時に、前に車が割り込んできたとします。相手はハザードランプを点灯させるなどの挨拶もしません。怒りの感情が発動されて、後ろからぶつけてやろうかとか、降りて出て行って怒鳴りつけてやりたい衝動に囚われたとします。あなたにとってはそれが正義なのかもしれません。しかしもしそうすれば訴えられるか、喧嘩になってやはりどちらかが傷つくことになり犯罪者になってしまう可能性すらあります。そのことを鑑みて、あなたは怒りの感情を抱えながらも、好きな音楽などを聴いて気分転換を図って渋滞が解消されるのを待つか、いったん脇道へそれるかして怒りの対象となっている車を視界から消す行動を取ります。そして、怒りの感情から衝動的な行動に出るのを回避して、その場をやり過ごすことが出来ました。これが適切な行動です。

 

●決して負けるという事ではありません。

 

確かに、悪いのは割り込んできた車です。あなたの怒りはもっともなものかもしれません。しかし、心に傷を負っている人にとって、感情に任せての衝動的な行動は時に自分自身を破壊するような強さを持っています。他者を傷つける行動は自分にも跳ね返ってくるのです。割り込んできた車に対して何もせずに受け容れるという事は、あなたにとっては負けたという思いにつながるのかもしれません。しかし、ここで争いにならないように自分の行動を変えるという事は、決して負けるという事ではなく大人としての非常に理性的な行動なのです。

 

●それには、訓練が必要です。

 

 口で言うのは簡単だが長年しみついた習慣をそう簡単に変えられるものか、と感じられるかもしれません。確かにその通りですが、最初から無理だとあきらめていては変わることは出来ません。カウンセリングでは、認知行動療法再決断療法など、思考をより健全なものへと変化させていくための心理療法や、ありのままを受け容れるマインドフルネス療法のワークなどを行いながら、そこで体得したものを実際に社会生活の場で実践することをサポートしていきます。それらを根気よく続けることで気が付いたら感情から生じる衝動がだいぶ軽くなっていた、という事が実現していきます。

 

●以下の事を普段から意識して見ましょう。

 

・感情に襲われて衝動的な行動に出そうになった時でも、物事の良し悪しなどを価値判断をせずに「大人で理性的な自分」をイメージして、より適切な考えや行動を実践する。

・そのために可能な限りベストをつくす。

 

●最後に。

 

 ウェッピーカウンセリングルーム日野では、カウンセラー自身もアダルトチルドレンとして感情の波に襲われ、その苦しみ乗り越えてきた経験を持ちます。その経験から同じ苦しみを抱いている方の気持ちに共感し、寄り添うカウンセリングを心がけています。カウンセリングは根気のいる作業ではありますが、丁寧に継続していくことで必ず効果は現れてきます。この記事を読まれている時点で、より良い人生を歩んでいきたいとの思いがあなたの中に芽生えているのです。カウンセリングに対するご質問やご相談は無料です。感情の波や衝動的な行動に悩まれている方はぜひ一度お気軽にお問い合わせいただけたらと思います。

 

最後になりますが、あなたの心が癒されることを願って。