不快に感じる相手や物事へ囚われているあなたへ。 自分の価値観を発見して、それに取り組んでみよう。

　仕事が辛くていつもそのことを考えている。私にからんでくる嫌な人がいて、いつもその人のことが頭から離れない。そのような状態の時に、そのことから逃れようとすればするほど意識はそのことに向いてしまいます。そのような状態の時に試していただきたいことがあります。嫌なことから逃れるのではなく、自分が本当に好きなこと、価値を重きに置いていることを考えていただきたいのです。そして、自分が本当に価値あることとして感じているものに改めて取り組んでみてください。それがあなたを苦しめている嫌な人や嫌なことへの囚われから解放してくれるでしょう。ここでは、そのやり方を解説いたします。この記事が、あなたが生きやすくなるためのヒントに少しでもなれましたら幸いです。

 

●まず、人生における構成要素に対して自分の価値の度合いを点数にしてつけてみましょう。

　

人生を構成する要素として以下が考えられます。それらに0～10点で点数をつけてみましょう。価値を感じないものを０として最も感じるものを10としてください。世間一般の価値観を考慮するのではなく自分の気持ちに正直に答えてみましょう。

 

1．家族（親以外）・恋人・パートナー

2．親

3．友人・社交的な関係

4．仕事

5．学習・トレーニング

6．趣味・レクリエーション

7．信仰・スピリチュアル

8．市民権・地域生活

9．自己管理（エクササイズ・リラクゼーション）　

 

どのような結果が出ましたか。自分は仕事に価値を感じていたと思っていたのが実は恋愛や家族だったり、家族だと思っていたが友人だったり自分が思っていたのとは違う答えが見つかる場合もあります。その場合でも自分の理想とは違うなどと自己否定する必要はまったくありません。肝心なのは自分の正直な気持ちを知る事です。もちろん今まで思っていたのと同じ答えでも良いのです。点数化にして客観的に見ることで再確認することが大切なのです。

 

●価値の比重が大きかった要素により積極的に取り組んでみましょう。

 

　たとえば、恋人やパートナーに対する価値が大きかった場合は、「恋人・パートナーと一緒に過ごす時間を多くとる」と意思決定して、そのために「今度の週末は一緒に過ごす。明日そのことを相手に伝える」と具体的な行動を思い描いて実行に移します。相手の都合でダメだったとしたらその時にまたお相手の方と相談すればよいのです。大切なのは積極的に取り組むことです。

 

●自分が価値を置いていることや好きなことを考えたり取り組んだりしているとそれは強みになっていきます。専門用語でいうと「ストレングス」ということになります。

 

　好きなことに没頭したり、価値を抱いていることに取り組んだりしていると自己肯定感が上がっていきます。それは自信にもつながり心の安定にもつながります。心が安定すると、不思議なことに今まで気になっていたことが気にならなかったり和らいで感じたりすることがあります。これは例えば、仕事においても自分が価値を置いていることに前向きに取り組んでいると嫌な人が気にならなくなったり近づいてこなくなったりすることもあるでしょう。

　嫌なことや嫌な人のことを頭から消そうとしてもますますその囚われは強くなるばかりで楽にはなりません。そうではなくて、他のことに意識を向ける。それも自分が価値を置いていることに対して、積極的かつ具体的に。最初に述べたように、それぞれの項目を点数化することによって自分の頭の中が可視化されます。その上で、ぜひご自分の価値あることに対して積極的に取り組んでみてください。

 

あなたの心が少しでも癒されることを願って。