交流分析による支配と依存の関係の気づき

 人間関係の改善を目的とする心理療法の一つに交流分析というものがあります。精神科医のエリック・バーンという方が提唱した考え方です。人間の自我状態(心の状態)には、P(Parent・親)の自我状態、A(Adult・成人)の自我状態、C(Child・子供)の自我状態の3パターンが存在すると考えます。

 Pは子供の頃に親など養育者から受けた思考や感情・行動パターン。Aは今の状態、大人としての考えや感情・行動パターン。Cは子供の頃の考え方や感情・行動パターンです。

 人が交流するときはこのいずれかの自我状態を使って交流するという考え方です。子供の時に、親など養育者から威圧的態度、暴言、暴力など虐待ともとれる行為を受けた場合などは、常に親の顔色を伺い親の望むような行動をとってしまいます。そのような状態で育つと、大人としての考え方を学び身につける余裕がありません。大人になっても人の顔色を伺ったり、強い人に頼って生きようとしたりと、人に依存するようになります。これはCのパターンです。

 また、Pのパターンとしては、親と同様な威圧的態度に出たり暴言や暴力で人を支配しようとすることがあります。過保護状態で自立の機会を得られずに成長した場合でも、わがままを言うことで人を支配しようとしたり、甘えさせてくれる人に依存しようとしたりします。人は自分の言うことを聞いてくれるもの、そうでない人は許せない!など。

 そうなると、合理的・理性的な考えのAのパターンが不在なので、人間関係においていつも不満や恐れが生じることになります。

 でも、もし自分がそれに当てはまったりしてもがっかりしないでください。何事もまずは気づくことが大切であり、始まりです。A(大人の自分)が不在だったり存在が薄い事に気づいたら、カウンセリングなどを通してAの自分を育てていけばよいのです。また、人間関係トラブルが生じる時の自分の交流パターンの傾向を知るだけでも人間関係改善の助けになります。一人で行うのは難しいので、やはり専門家(カウンセラー)のサポートの元、行っていくことが望ましいです。でも、繰り返しになりますがまずは気づくことが大切。

 人は元来、お互いに持ちつ持たれつ、ギブ&テイクの関係が健全なものです。どちらかに荷重がかかりすぎている関係は、継続していたとしても結局は不幸な結果に終わることが多いです。

 この三つのパターンをバランスよく使えると良いですね。人間なので、もちろんそこに個人の個性は現れてしかるべきですが。

あなたが、人間関係で生きづらさを感じているとしたらこの記事が少しでも生きやすくなるためのヒントになったら幸いです。