良くなったり悪くなったり、感じるのはなぜ?本当にカウンセリングは効くの?

「ゆらぎ」ながら良くなっていくのです。

ゆらぎのイメージ

●カウンセリングの効果があまり感じられない。本当にカウンセリングは効果があるの?

 カウンセリングを受けた経験のある方、もしくは現在受けている方、またはカウンセリングそのものに関してこのように感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。自分が思っていたのと違う、それどころかかえって苦しくなった、そのように感じた方も少なからずいらっしゃるのでは?

 ここでお伝えしたいことはカウンセリングは心の悩みや苦しみに対して効果があるということです。もちろんカウンセラーとの相性や、カウンセラーのスキルによっても違いはありますし、クライエント(相談者)の方の心の傷の深さやその方の特性によっても違いは生じます。

 しかし、現代の心理療法は過去の膨大な臨床を通して開発・研究されたものであり、その効果に対するエビデンスは確かに存在します。カウンセリングを適切に受けているのであれば、今は感じられなくても、その効果はやがて現れ始めるでしょう。

●効果を感じやすい人と感じにくい人がいる。それはなぜ?

 カウンセリングにも効果を感じやすい方と感じにくい方がいらっしゃいます。このように言うと語弊があるかもしれません。詳しく言うと心理療法によってもその人に、向き不向きがあるのです。

 例えば、理性的に考える傾向の強い方には、認知行動療法などの思考を用いての心理療法が向いています。その反面、感覚的なアプローチは苦手な傾向が伺えます。逆に感じることが得意な方には、フォーカシング療法などの身体感覚にアプローチしていくことで効果が見られる方もいらっしゃいます。ちなみに当カウンセリングルームでは、弁証法的行動療法における理性と感情(感覚)の双方向に働きかけていくアプローチを基本においています。

 また、その心の傷の深さによる違いもあります。例えば、幼少期にとても過酷な虐待ともとれるような環境の中で、長期に渡って耐え忍んで生き抜いてきたような方は、その傷が身体の奥深くに(心の傷は身体にしみ込んでいくのです)、神経細胞に同化するかのように組み込まれていることが多く、慎重かつ丁寧にその傷にアプローチしていく必要があります。いきなりその傷を抉り出すように触れてしまうのは避けなければなりません。歯の治療で麻酔を打たずに神経に直接触れるようなものです。

 このように、理性だけではなかなか解決に至らずに、その奥に隠された深層意識にアプローチしていく必要がある方は、効果を感じにくい(回復には年数を要するため)傾向があるかもしれません。

●良くなったかと思ったらまた苦しくなったりするのはなぜ?

 今までもお話ししましたように、その方の苦しみはその方の特性や、生きてきた環境により様々であり、苦しみの深さも人によって違いがあります。カウンセリングはその方のペースに合わせてなるべく無理のないように、しかし効果も考慮した上で丁寧に進めていきます。

 カウンセリングを通して、「気づき」が得られることで、一気に楽になったように感じることがあるかもしれません。しかし、心の問題はそうたやすい問題ではなく、しばらくするとまたその傷がうずき出してきます。そして、その苦しみに対して(その苦しみに関わる過去の出来事も含めて)、丁寧にアプローチしていきます。そのようにして、段々と苦しみの本質に近づいていくのです。

 このようにしてカウンセリングは進められていくので、「良くなったかと思ったらまたぶり返す、本当に効果があるの?」などの疑問が生じてくるのです。また、カウンセリングを受けに来られる方は、ずっと苦しんできてどうにかして楽になりたい、と藁にもすがる思いで意を決して申し込まれる方もいらっしゃるので、その様な場合は特にもどかしく感じるのかもしれません。カウンセラーもそのようなクライエントの気持ちを汲み取ってカウンセリングを行う必要があります。

●「ゆらぎ」ながら良くなっていく。

 精神保健福祉の世界では「ゆらぎ」と言う言葉が大切に扱われています。右肩上がりに良くなったり回復したりするのではなく、行きつ戻りつをくり返しながら、揺らぐように回復の道を歩んでいく。そのようなイメージです。ある意味人間らしさと言うか、人生と重なる部分があるかもしれません。

 カウンセリングも人の心にアプローチしていく療法です。そこには人間らしさが必要です。そこが、医療など薬物治療を主とした科学的療法との大きな違いがあります。クライエントとカウンセラー間の、人としての交流も含めての心理療法なのです。

 このようにして、カウンセリングを継続していくうちに、ふと気が付いたら腫れ物が落ちるように楽になっていた、と言う感覚の方が多くいらっしゃいます。そう、気が付いたら、と言う感じで。そのタイミングはその人だけのタイミングです。何回、カウンセリングに通ったら良くなる、というように一言で片づけられるものではないのです。正直に言うと、年単位で考えられるくらいで丁度良いのでないでしょうか?

 そして大切なのは、その後のケアです。心の傷と言うものは、深いケースだと身体の神経にまで組み込まれているような感じでなのです。傷が癒えたと思っても。しばらくするとそこがまたうずき出すことは大いに考えられます。神経を根こそぎ取るわけにはいかないからです。そのような理由からも、ある程度回復してからも、その後の定期的なケアを受けることをお勧めいたします。心のメンテナンスと言う感じでしょうか。

●カウンセリングに関するご質問などございましたらお気軽にお問合わせください。

 ここまで読まれて、カウンセリングにご関心を抱かれたり、試しにカウンセリングを受けてみたいと感じられた方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にウェッピーカウンセリングルーム日野・東京宛までお問い合わせいただけたら幸いです。

 あなたの心が癒されますように。