怒りがいつまでもとれずに、爆発しそうな時に・・感情を描くことで怒りを手放す。

感情を描くマインドフルネス。

怒りの感情のイラスト

●怒りの感情の弊害とは?

 誰かに傷つけられたり、否定されたりしたら怒りの感情が生まれるのは当然と事です。怒りが全く生じないとしたら、自尊心が完全に欠落しているか、傷ついたことを感じ取れてないかのどちらかです。人には生きるための本能があります。怒りもその大切な本能の一つだからです。

 しかし、この怒りの感情もそれがあまりに強く、そして持続すると相手に向けられるはずの感情の刃が、今度は自分に返ってきて自分の健康な心を蝕み始めるのです。その怒りを鎮めようとして飲んだお酒がさらに怒りを増幅させて、人間関係を完全に壊したり、場合によっては依存症に進行したりする事もあり得るのです。

●なぜ、怒りが手放せないのか?

 怒りが生じたとしても、気持ちを切り替えるなど上手にかわせればよいのですが、なかにはいつまでも怒りが手放せずにその感情に留まってしまう方もいらっしゃいます。要因としては本人の性格特性なども考えられますが、もう一つ考えられることが幼少期などにおいて自分の感情をずっと抑圧して生きてきた人たちです。よく、反抗期が無かった、素直で育てやすい良い子だった、と見られている人たちの中に多く存在します。反抗期が無い、良い子、それは自分の感情を押し殺してきた結果かもしれないのです。もしくは、自分の感情すらもわからないくらいに感情を消すことで生き延びてきた人たち、このような人達をサバイバーと呼びます。

 

しかし、その押し殺してきた感情は決して消えたわけではなく、恨みの感情となって神経の奥深くに根付いている可能性もあります。そのような恨みの感情は、怒りが生じた時にそれを一過性のものとして手放さずに、いつまでも怒りを握って離せなくさせるのです。これが、怒りの感情をいつまでも手放せない要因ともなり得ているのです。

●怒りを外在化してみる。

 間である限り、感情をゼロにすることは不可能です。しかし、感情を和らげてあげることは可能です。幼少期の頃に傷ついた自尊心の修復などおおもとの傷が癒えてくると、感情自体も和らいでいきます。しかしこの作業は時間をかけて丁寧に根気よく行っていく必要があります。もちろんこの作業はとても大切で必要な事です。ですが、今実際に怒りの感情がとても強く、しかもそれが手放せないでいて苦しいのなら、今の問題にフォーカスすることも必要です。そのための一つの方法が怒りなどの感情を外在化してみるという事です。外在化するという事は外に取り出すという事で、客観視することが出来ます。客観視するという事はありのままを見つめるという事。それこそがマインドフルネス(ありのままを受け容れる)の極意なのです。

●どのように外在化するのでしょうか。

 感情を外在化するのにはいくつか方法があります。言葉にして話すという事も外在化の一つの方法です。人に話すことでスッキリしたというような経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、相手が否定や意見をすることなく聞いてくれた場合に限ります。「気にしても仕方ないよ」とか言われると怒りの感情がさらに上積みされるケースもあり得ます。もう一つの方法として紙に書き出してみるというものがあります。出来事や思い、感情をありのままに紙に言葉にして書き出してみても良いでしょう。それを改めて見直してみると、ここまで怒りを持つことに不自然さや違和感を覚えるかもしれません。それが感情のクールダウンにつながります。

●感情を思いのままに描いてみる。

 紙に書き出す方法として、文字以外に絵にして描いてみるという方法があります。人に見せて評価してもらう事が目的ではないので、絵の上手い下手などは全く関係がありません。殴り書きのようなものでも構いません。色も付けてみましょう。感情を文字にして書き加えるとよりリアリティが出てくるかもしれません(文章などではなく、擬音のようなものとか)。見方によっては文章で書き表すよりも、自分の感情がより具体的に感じられるのではないでしょうか?その絵があまりにすさまじかったりすると、気持ちも冷めていくかもしれません(怒っている人を前にすると、怒れなくなるように)。

●プラスの感情も描いてみましょう。

 感情を外在化する効果はプラスの感情に対しても働きます。嬉しい気持ちや、楽しい気持ち、明るい気分などを思いのままに絵で表現してみると、どのような色遣いになっているでしょうか?そこには何が描かれているでしょう?芸術療法が存在するように描くこと自体にも心を癒すセラピー効果があるのです。グループセラピーで、お互いの絵を否定するような発言をしないなどのルールを決めて、前向きに評価し合うなどの事で自己肯定感の向上にもつながるのです。

●感情が強くて苦しんでいる方がいらっしゃいましたらお気軽にご連絡ください。

 ウェッピーカウンセリングルーム日野・東京では、不安や怒りなどの感情が強くてそれがなかなか取れずに苦しんでいる方などに向けて、ここでご紹介したもの以外にも様々な心理療法も提供しております。カウンセラーはクライエント(相談者)の気持ちに、寄り添いながら一緒に問題の解決へ向けて取り組んで参ります。苦しみや悩みなど、お一人で抱えずにまずは一度お問合わせやご相談をいただけたらと思います。あなたの心が癒されますように。