悪いことが起きた時に、自分は運がない、何をやってもダメなんだと悲観的になってしまう。そのような方への心を軽くする対処法とは?。

果たしてその思いは真実なのでしょうか?

認知行動療法

●悪い事が起きた時の自動思考とは? 

 悪いことが起きると、「やっぱり自分はついてない。いい事なんか一つもなかった」と、人生のすべてがダメなように感じて悲観的になることはありませんか?それがたまにではなく、常態化していることは?

 何か出来事が生じた時に頭に浮かぶ考えを「自動思考」と心理学的に名付けられています。自動思考とは自分で意識することなく生じる思考であり、意志の力でコントロールは出来ません。どのような自動思考が生じるかは、その人の性格や生きてきた環境や経験によるところが大きく、人によって様々です。ただし、環境や経験によってどのような自動思考が生じやすいか、その傾向は存在します。

 例えば、それまで生きてきた環境が辛い事ばかりであったとすると、ここに挙げたように良くないことが起こると、それまでの経験が一挙にフラッシュバックして「私にはツキが無い、全てがダメだ」のような自動思考が生じやすくなります。

●自動思考が生じたら、ちょっと立ち止まって疑問に感じてみましょう。

 まずは、自動思考を意識することで「自分は生きていてもいいことなど一つもない」などの考えに囚われている自分に気づくことが大切です。そのような自分に気づいたら一歩立ち止まって自分に問いかけてみましょう。たとえば、「本当にいいことなど一つもなかったのだろうか?」と。どんなに些細な事でも良いのです。嬉しかったこと、笑うことが出来たこと、小さなことを見つけてみてください。ケガや病気をしたことが無い人は誰もいないはず。ひょっとしたら命を失っているような出来事があった人もいるかもしれない。でも、今、生きているのはなぜでしょう?一人だけで生きてくることは出来なかったはず。誰かの助けがあったからこそ、今ここでこうして生きているのではないでしょうか。それらを紙に書き出して持ち歩いてもいいかもしれません。言葉にしてみるのもとても大切な事です。言霊と言う言葉あるように、言葉にすることで改めて実感することが出来ます。

●その問題はあなたにとってどのくらい大きな問題でしょうか?

 良くないことが起きたら誰しもが落ち込んだり、悔しかったり、時には怒りが生じることもあります。それは人間として仕方のない事なのです。でもその時の過剰な考えや、それに伴う感情が自分を不幸な人生へと落とし込む要因になっているとしたらどうでしょう?自分があまりに過剰に物事をとらえやすい事に気づいたのなら、「この問題は自分の人生にとってどのくらい大きな問題なのだろうか?」と、問いかけてみましょう。人生そのものをあきらめるほどの問題ですか?

 物事を自分からいったん手放して客観的に見られるようになると苦しみは半減していきます。それには訓練が必要です。カウンセリングはそのための場でもあり、カウンセラーは指導者ではなく伴走者です。ここに挙げた記事やカウンセリングに関心を持たれた方がいらっしゃいましたらお気軽にウェッピーカウンセリングルーム日野・東京までお問い合わせいただけたら幸いです。あなたの心が少しでも癒されますように。