再決断療法

 再決断療法とは、幼少期において親から受けた影響などにより自ら選択し、決断した生き方を手放して新しい生き方に変えるための決心をする心理療法です。

 幼少期において、親などの養育者から「お前は弱虫だ」、「お前は頭が悪いんだからもっと勉強しろ」などと、人格を否定されるような言葉をかけ続けられると、自分でも意識しないうちに「私はダメ人間、存在してはいけない人間」などの信念を心の奥深くに刻み込んでしまう場合があります。すると成長してからも、その信念がことあるごとに頭をもたげて、「私は、ダメ人間なのだから、ここにいるためには頑張ってみんなに認められないと。特に上司にダメだと思われたら生きてはいけない」などの思考が無意識のレベルで生じます。そうすると、必要以上に周囲の顔色を伺ったり(特に強い人間、権威的な立場の人)、承認を求めて疲れ切ってしまいます。時には、嫌われてるなどの妄想が生じて相手の気持ちを確かめようとしたり、媚びるような行動に出たりすることもあります。本人にはその原因がわからないのですから、時にはそのような自分を責めてしまうこともあります。そして、その不安感や疲労感を紛らわすためにアルコール等に依存してしまうこともあります。

 ここに挙げたのは一例に過ぎずにこの他にも「人を信じるな」、「喜ばせなくてはいけない」、など親から受けた影響によって様々な信念が存在します。この信念はその人の一生に影響し、その人の人生を左右することから、人生脚本とも呼ばれています。

 その自分を苦しめている信念を手放して、より健康的な信念に書き換えていくアプローチが再決断療法です。その信念を取り込んだ過去に遡って、その時の気持ちを再体験してもらい、自分の感情を相手(親など)に正直にぶつけることによって自分の傷ついた心を癒し、親の影響からの囚われからの解放を目指します。そして、よりよい新しい生き方を選択する決断をします。再決断療法と呼ばれる所以でもあります。

 過去を再体験してもらう事は苦しくつらい体験ではありますが、産みの苦しみとも言われますように、新たな生き方を産み出すための苦しみとも言えます。当カウンセリングルームでは経験のあるカウンセラーが、クライエント(相談者)の気持ちに寄り添いながら、自然な流れの中で行っていくように配慮してますのでご安心ください。

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●ブログ記事も併せてご参照ください。

アダルトチルドレンの方へ。再決断療法ー生き方を変える決心をする。

※アダルトチルドレンの方へ。禁止令(~するな)。子供の時に受けた傷がその人の一生を縛り付ける。

※交流分析ー人生脚本。幼い頃に学習した言葉が人生を一生を左右する。