職場でのパワハラで悩まれている方へ。カウンセリングで解決を図る。

パワハライメージイラスト

 パワハラとは、どのような行為を指すのでしょう。威圧的な言動、人格を否定するような言動、物理的に無理と思える業務量の押し付け、無視、冷淡な態度等々。かなりのストレスを相手に与える行為を相対してパワハラ(パワーハラスメント)と呼んでよいのではないでしょうか。一般的には、上司から部下へ向けて行われることが多いように見られますが、最近では部下から上司へのパワーハラスメントや、同じ立場でのパワーハラスメントも見られるようになってきた感があります。職場におけるこの状況は、年功序列制度の崩壊があり、実力優先主義や成果優先主義が影響している部分もありますが、やはり個人の資質的なものや性格的なものが大いに影響しているものと考えられます。

 パワハラの問題はパワハラを行いやすいタイプ、パワハラを受けやすいタイプに別れます。ここでは、双方の問題を分析し、それぞれのカウンセリングによる対処法をご案内いたします。パワハラ問題は会社組織内の問題にも発展しますし、受ける側からしてみたら自殺に追い込まれることすら考えられます。最悪の状況になる前にぜひこの記事をご一読いただけたらと思います。

 

●パワハラを行いやすいタイプの人の心理。

 

 パワハラを行う側の心理とはどのようなものでしょうか。相手を攻撃して自分が優位な気持ちになる事への快楽感。相手が弱ることに刺激を受けるサディズム的な性格形成。そのような、持って生まれた気質的な要素もあるかもしれませんが、心理分析的には対人不信や上下関係でしか人間関係を築けない、人を支配することで劣等感を感じないようにする、等々の要素を挙げることが出来ます。そしてその奥には幼少期における養育者からの虐待やそれに伴う恨みの感情が根付いていることがあります。虐待とは身体的暴力だけでなく、言葉による人格否定や両親間のDVを見せつけられるなどの行為も含まれます。また、テストで良い点を取った時だけ褒められて、取れなかった時にひどく責められたりした記憶があると、人の上に立たないと自分には存在価値がないなどの信念が植え付けられて、人を攻撃して常に優位な立場を守ろうとすることもあります。それとは逆に過度に過保護で溺愛されて育つと万能感に囚われて自分は意味もなく人より偉い存在なのだ、等の信念を持ってしまう事もあります。他にもいろいろな要素が考えられますがパワハラを行っている人はそれが正しい行為で受ける人がダメだから教育してやっているのだ、との信念を持っている場合が多いのです。

 

●パワハラを受けやすいタイプの人の心理。

 

 では、パワハラを受けやすい人の心理とはどのようなものでしょうか?感情がきめ細かくてデリケート、傷つきやすい人。真面目で几帳面、物事を重く受け止めやすい人。幼少期に養育者から虐待を受けたりいじめを受けたりして、人に対する恐怖心が強い人。過去のトラウマなどから過剰に自分を防衛しようとする人。自分に自信が無くて甘えられる人や頼れそうな人に依存傾向のある人。自身はないけどプライドが高い人。承認欲求の強い人。そのようなタイプの人を攻撃的なタイプ、つまりパワハラを行うタイプの人は敏感にかぎ分けてターゲットにしようとします。

 攻撃的なタイプの人は、攻撃した相手がおびえた様子を瞬時にかぎ分けます。そして、自分の攻撃的欲求をぶつけて解消しようとします。また、プライドから言い返そうとするものなら、さらに倍になって攻撃をしかけてきます。攻撃的なタイプの人は相手に舐められることを非常に恐れているのです。だから、最初から勝てそうもない相手には決して攻撃をしかけません。勝てると確信を抱いた人にのみ攻撃を仕掛けてくるのです。そして、集団における自分の優位性を周囲にアピールするのです。本来ならそのような危険な相手からは遠ざかろうとしたり、なるべく反応したりしないようにするのが普通なのですが、パワハラを受けやすいタイプの人は逆に近づいて行って媚びを売って相手の好意を受けて安心しようとする傾向が見られます。自らパワハラをしてくださいと言っているようなものです。それも全て「恐れ」から見られる行為です。

 

●パワハラの問題に対してカウンセリングで行えること。

 

 パワハラは職場としての問題でもあるので、上司への相談も含め職場としてその問題に取り組んでいく必要があります。しかし、パワハラ自体は個人の資質が大きく影響しているため、カウンセリングなどで心理面に働きかけていく事が必要になります。

 また、パワハラを行う側の人に対しては、自分が職場で問題行動を起こしているという認識に乏しい人が多く、受けている側や周囲が会社側に訴える必要があり、上司がパワハラを行っている場合などはなかなか難しい場合があります。組織としてパワハラ問題に取り組み、パワハラを行っている人のカウンセリング受診を促すなどの行動が求められます。パワハラを受けている人であれば、ご自身のためにもカウンセリングを自由意志で受けられることをお勧めいたします。

 次にカウンセリングで行う事ですが、パワハラを行う側の人も受けている人もまずは、自分が行っている事、やられている事、その反応、思考などを事実として客観的に見ていく事が必要になります、その上でその時にどのような気持ち、気分になっているのかを見ていきます(認知行動療法)。そして、パワハラを行っている側も受けている側も、その時の相手の気持ちを想像して理解するように努めます。さらに、どうして自分はそのような言動や行動を相手にしてしまうのか?反応をしてしまうのか?原因を探っていきます(交流分析・人生脚本)。幼少期からの成育歴において養育者との関係や環境、境遇などの影響が多く見られます。これら、自分の問題に気づき始めることがスタートでそれを改善していくための心理療法を根気よく丁寧に行っていきます。それと共に、現在の自分の行動の問題点も変えていくようにアプローチしていきます。

 

●パワハラの問題は、環境を変えることも必要です。

 

 パワハラを受けて苦しんでいる方は、パワハラ行為の禁止など職場としての改善が期待されない場合は、職場を変えるなど環境を自ら変えることも必要です。中には、職場を変えてもどこにもそのような人はいるとか、自分の問題なのだから自分を変えなくては、などとアドバイスをする人がいるかもしれません。あながち間違っていると言えなくもありませんが、その様な人はパワハラを受けることなくかわすことが出来るような人たちです。パワハラを受けている人の気持ちに寄り添っているとは言えません。しかし、パワハラを受けやすい人というのは自責の念も抱きやすいしプライドも高い人が多いので、その様に言われると環境を変えることが逃げる事のように感じられて罪悪感を抱いてしまう人も多いでしょう。

 カウンセリングも万能ではもちろんありません。パワハラを受けやすいご自身の問題に気づき改善を図っても、人は本来その人が持っている自分らしさというものがあります。それを無理やり殺してまでパワハラと闘う必要はありません。それに、パワハラが起きやすい職場というのは職場自体に問題があるということも大いにあり得ます。自分にとってより良い環境を求めるための転職はポジティブに考えても良いのではないでしょうか。

 

●よりよい人生のために。

 

  カウンセリングはパワハラなど一つの問題を解決するための目的が、自分自身の問題に気づき今後の人生そのものをよりよく変えていくための目的に代わることも大いにあり得ます。パワハラの問題で悩まれている方、自分の人生をより良く生きたい方、ぜひ一度ウェッピーカウンセリングルーム日野までお気軽にご連絡いただけたらと思います。お問合わせ・ご相談は無料です。あなたの心が少しでも癒されますように。