人間関係において見捨てられることへの不安で悩まれている方へのカウンセリング療法。その不安と向き合い言葉で表現してみましょう。

感情と向き合う

 幼少期に、虐待や心理的威圧、両親間の不和などで緊張した家庭に育ったアダルトチルドレンの方。長期に渡るいじめや虐待などで複雑性PTSD(トラウマ)を抱えた方。そのように深い心の傷を抱えた方は、メールに返信が返ってこない、返ってきたけど素っ気なく感じる、その様な些細なことで相手に見捨てられるのではないか、自分から去っていくのではないか、また一人ぼっちになるのではないか、などそのような心の傷を抱えていない人には想像できないような不安や苦しみが生じる事が多く見られます。そのような苦しい感情から注意をそらす心理的ケアもありますが、ここではあえてその感情と向き合う心理療法をご紹介します。正体のわからない不安はなかなか取り払うことが出来ずにいつまでも取りつき心を蝕んでいきます。その不安からアルコール依存症になったり、女性であれば摂食障害などのアディクト(依存)に走ったりすることも考えられます。他にもリストカットやオーバードゥーズ(大量服薬)などの自傷行為に走ることも。大げさかと思われる人もいるかと思いますが、そのくらい心に深い傷を負った人にとってこの見捨てられる不安というのは苦しいものなのです。この心理療法は一人では行わずに信頼関係のもと、カウンセラーと一緒に行う事が望ましいです。見捨てられ不安に限らず、その不安を言語化することにより、自分の不安の正体が見え始めると不安と距離が出来て苦しみの衝動が少しずつでも軽くなっていきます。関心を持たれた方はぜひご一読いただけましたら幸いです。あなたの心が癒されますように。

 

●感情と向き合ってみましょう。

 

まずは、今この時に感じている感情と向き合ってみましょう。それが出来なかったら最近の出来事で感じた事でも構いません。過去のあまりに辛かった感情を思い出して向き合うことは段階を踏んでからの方が良いかもしれません。目を閉じて自分の心に問いかけてください。私は今、どのような気分なのか、どのように感じているのかを。

 

●感情の裏には、自分でも気づかない感情が隠されていることがあります。

 

 例えば、誰かにひどい事を言われて怒りを感じたとします。「全くなんてひどい奴なんだ、なんとかしてやり返してやりたい」とか。表面的に見ていると今私が感じているのは、怒りの感情ということになります。しかし、より深く見ていくとその裏には、見下されて馬鹿にされたように感じて、自尊心が傷ついたことによる深い悲しみの感情が潜んでいることがわかります。アダルトチルドレントラウマを抱えた方はこの自尊心が自分ではわからない、感じられない方が多いのです。それはなかなか自分一人ではわからず、また心理的負担も大きいのでカウンセラーと共同作業で行ってください。

 

●感情を言語化(文字化)してみましょう。

 

 感情(気分)というと、不安や怒りや嬉しい、楽しい、悲しい、寂しいなどが代表的なものですぐに思い浮かびますが、細かく見ると感情を表現する言葉はたくさん存在します。以下にいくつか挙げてみますので参考にしてください。

・恐れ・怒り・不快・不安・悲しい・罪悪感・孤独感・孤立感・疎外感・寂しさ・恥をかいた・退屈・傷ついた・虚しい・冷めた感じ・恨めしい・劣等感・イライラ・落ち込み・うんざり・落胆・混乱・不信・懐疑的・怯え・恐怖・キレる・心配・絶望・気分を害した・自己嫌悪感・妬み・嫉妬・きまりが悪い・楽しい・嬉しい・ワクワク感・幸福感・自信に満ちた感じ・満足感・喜び・疲れた・散漫・クヨクヨ・ドキドキ・甘えたい・誇らしい・優越感・満たされている・愛されている・好きだ・抱きしめたい・希望・落ち着き・平和・穏やか・安心

 いかがでしょう。同じように感じた言葉でもその人の感じるニュアンスで微妙に違っていたりもするものです。怒りの裏には恐れ、そしてさらにその裏には劣等感が隠されていることもあります。子供の時に親や友達から否定されたり見下されたりして心が傷ついていると劣等感が根付いて、それがいろいろなところで刺激されて怒りとして表面に出てしまうというように。しかしそれは本人も気づかない深いところに存在している感情なのです。

 

●自分の感情を可視化することで感情を客観的に捉え、癒してあげることが可能になります。

 

 自分の感情の奥深くに隠されているものの正体やその原因がわかると気分が落ち着きます。見捨てられることへの不安の正体が寂しさや悲しみであることがわかれば、その傷ついた自分の心を慰めてあげたり、不安におびえている自分を許してあげたりするなどのストレスコーピング(対処法)を用いることもできます。あえて、自分の苦しい感情と向き合うことでその苦しみに対処する力を身につけることが出来ていきます。しかし、それは繰り返しになりますがまずは経験のあるカウンセラーと共同作業で行っていきましょう。それに慣れていくことで一人でも行う事が可能になっていきます。ストレスコーピングに関してはウェッピーカウンセリングルーム日野のブログ:様々な心理カウンセリングのご紹介にていくつか詳しく掲載していますのでよろしかったらぜひご参照ください。あなたの心が癒されることをお祈り申し上げます。

 

●最後に

 

ウェッピーカウンセリングルーム日野」では、主に対人関係で苦しんでいる方たちのカウンセリングを行っています。カウンセラーの上原自身も、アダルトチルドレンで苦しみ、それを乗り越えてきた経験を持ちます。その経験を活かして同じような苦しみを抱えている方たちの気持ちに寄り添いながら、その方に適した心理療法を提供してまいります。ここに挙げた心理療法もカウンセリングを通して行う事でより適切な効果を得ることが出来ます。お一人で苦しまずに、まずはお気を楽に持ってご相談いただければと思います。お問合わせ・ご相談は無料です。ホームページ内にお問合わせ先を明記してありますで、是非とも皆様からのご連絡をお待ち申し上げます。