人との争いのパターンを知り、対処する。
人と争いになるときというのは、人によってパターンがあります。例えば、見下されたような態度を取られたときとか、自分の考えを否定されたときのようにプライドが傷ついた場合。その相手に関しても特定の相手の場合が多く見られます。中には同じような言葉をかけられても腹の立つ相手と腹が立たない相手がいる場合があります。好きな相手だと腹もそれほど立たないが反りが合わなかったりすると、ちょっとした言葉でイラついたりします。しかしそれでいちいち反応していると関係性はさらに悪化して最終的には暴言を吐いてしまうなど相手との関係性だけでなく置かれている状況全てに関わって、その環境にいづらくなることも考えられます。このように同じようなことをくり返し行ってしまい人間関係が長続きしなかったり自分の居場所が危うくなってしまったりすることが多い方にお勧めしたいカウンセリング療法の一つに「ストレスコーピングの実践」があります。ストレスコーピングとはストレスへの対処法という意味です。関心のある方は是非ご一読いただいて機会がありましたらカウンセリングを受けてみていただけたらと思います。
●人と人が争う時というのはどのような時でしょうか?
人間にはもともと本能があります。自分のことを認めてもらいたい承認欲求も本能の一つです。例えば意見がぶつかり合った時に、相手を自分の意見に同調させようとすると争いがおきます。また、相手に上から見下されたように感じた時にも、承認欲求いわばプライドが反応して相手に怒りをぶつけてしまい争いが生じます。どちらか一方が自分の感情や考えをある程度抑えられると争いにまで発展しないのですが、双方とも承認欲求が強い場合などは争いになってしまいます。ひらたくいうと似た者同士という事ですね。
●承認欲求の内側に隠されたものとは?
幼少期に、親から心理的虐待を受けたり、学校でいじめを受けたりするとアダルトチルドレンや複雑性PTSDを患ってしまうことがあります。そうなると、自分自身を大切に想える自尊心が育たずに、相手から認められて自分の自尊感情を埋めようとしてしまいます。他人から認められたい欲求を承認欲求といいます。これは過保護すぎた環境の中で育った場合も、人は全て自分の言うことを聞くべきだとの間違った思考が根付いてしまい、これもまた承認欲求となり得ます。ただし、この承認欲求は多かれ少なかれ誰もが持ち得るものです。勉強や仕事、スポーツや音楽、芸術活動に励むエネルギーにはこの承認欲求が少なからず働いている場合があります。ただ、最初に述べたように育っていない自尊心を埋めたいがための承認欲求や、相手は自分の言うことを聞いて当たり前のような承認欲求となると、それが人間関係において争いをもたらす要因となってしまいます。
●承認欲求そのものに対する対処とは?
承認欲求そのものを小さくするなど、承認欲求にターゲットを当てる必要もありますが、それはある程度時間を要する作業となります。幼いころより抜け落ちてしまった自尊心を育て直したり、過保護から身についた思考を変えたりするのには深い無意識の状態にまで掘り下げて働きかける必要があります。それを一気に短時間でやろうとすると逆にメンタルに支障をきたす危険性もあります。専門家であるカウンセラーと一緒に丁寧に時間をかけて対処していく必要があります。
●まずは、争いが起きた時のパターンを書き出してみましょう。
最近生じた人との争いを紙に書いてみましょう。書くことで客観視できます。例えば、「職場の同僚にその仕事のやり方は違うと非難された。怒りが生じて、私はこのやり方を上司から教わったと強く反論した。その結果、その相手とはギクシャクした関係になって顔を合わせづらくなった。一緒に組んで仕事をする時などもお互いに口を聞かなくなって仕事に行くのに気が重くなった」というように。いくつか思い出せるパターンを仕事や、友人、恋人や家族関係で書き出してみましょう。
●ストレスコーピングを用いた場合を想像して書いてみましょう。
ストレスコーピングとはストレスを感じた時の対処法のことです。ホームページのブログ記事でいろいろなストレスコーピングのやり方を取り上げていますので参照してみてください。先に挙げた例で、ストレスコーピングを用いた場合を想像して書き出してみましょう。
「職場の同僚に仕事のやり方が違うと非難された。怒りが生じたが、まずは自分の呼吸に意識を向けた。少し落ち着いて同僚は違うやり方をしているのだなと、ありのままを受け容れた。この場は反論せずに、指摘してくれてありがとうと伝えて、ただ私はこのやり方を上司に教わったので改めて確認しておきますねと冷静に伝えた。」
いかがでしょう。ここでは、呼吸に集中するマインドフルネス療法とありのままを受け容れる徹底的受容というコーピングを用いています。ありのままを受け容れるとは相手に迎合することではありません。相手のことも自分のことも客観視するという事です。これで、相手があなたに対してどのような感情を持つかは相手の問題です。少なくともあなたは相手に対して怒りの感情をぶつけていないのですから、あなたの側に過ちはありません。大切なのは感情を優先するのではなく冷静に対処するという事です。
●ストレスコーピングを実践してみましょう。
このように、ストレスコーピングを用いる前と用いた場合を紙に書き出して、次に同じようなパターンが生じそうになった場合はストレスコーピングを用いた場合を思い出してそのように対処してみましょう。そして、その結果も書いてみてください。その結果として、今までのように人間関係に亀裂が入ったりギクシャクしたりして、その環境に居づらくなるようなことに発展しないことがわかると、さらにそのストレスコーピングは実践で活用できるようになります。併せて、承認欲求の問題に時間をかけて丁寧に取り組んでいくと、思考や感情そのものがより健康的なものへと変化していくでしょう。そして、人との争いが減り、あなたが置かれている世界感そのものがより安定したものへと変わっていき、幸福感そのものが上がる事につながっていくでしょう。
●最後に
「ウェッピーカウンセリングルーム日野」では、主に対人関係で苦しんでいる方たちのカウンセリングを行っています。カウンセラーの上原自身も、アダルトチルドレンで苦しみ、それを乗り越えた経験を持ちます。その経験を活かして同じような苦しみを抱えている方たちの気持ちに寄り添いながら、その方に適した心理療法を提供してまいります。お一人で苦しまずに、まずは気を楽に持ってご相談いただければと思います。お問合わせ・ご相談は無料です。ホームページ内にお問合わせ先を明記してありますで、皆様からのご連絡をお待ち申し上げます。
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