起きてしまった事や相手も、変えることは出来ません
●感情に囚われると、現実が見えなくなり苦しみはますます強くなっていきます。
人は、怒りを感じたり後悔したり不満に思ったりすると、他者を責めたり、状況や環境のせいにしたり、あるいは自分自身を責めたりします。それは、自分自身を苦しめることにつながります。負の感情があまりに強いと現実を見ることが出来なくなります。そこにいない人のことや過去の出来事で頭の中はいっぱいになってしまい、対処しなくてはならないことや、目の前のことに意識を向けることが出来なくなってしまいます。苦しみは募るばかりで事態は何も改善されません。
●あるがままの状況を受け入れましょう。そのことを徹底的受容と言います。
まず、認識しなくてはならないことは対人関係なども含めて今の状況に至るには過去の出来事の連鎖が今につながっているという事です。そして、それは変えられないという事です。いくら後悔したり恨んだりしても起きてしまったことは変えられない。そして相手も変えられないという事です。そして、現在の状況がどうなっているのかを理解するという事です。それを徹底的受容と言います。
●あるがままを受け入れるということは、容認したり同意したりすることではありません。
たとえば、実際に自分に非難めいた言動をしてきた相手を容認したり、同意したりすることが絶対的受容という事ではありません。現在、あなたを傷つける相手がいて遠ざかる必要があったら、しっかりと相手と距離をとる行動をしてください。その場に居続けて、さらに傷ついたり、怒りを覚えたりする必要はありません。距離を取るということは何も物理的に離れる事だけではなく、必要以外の会話は避けるなどの精神的距離を取る方法もあります。自分の心の状態をよくするための方法を考えましょう。
●徹底的受容のための方法
怒りや不安、恨みなど負の感情に囚われてしまった時にそこから離れるためのキーワードを見つけておくことが有効です。現在の状況とそれにつながる過去の出来事の連鎖を受け入れる言葉を見つけましょう。そして、感情に囚われる出来事が生じたときにその言葉を思い出して自分に語り掛けましょう。
●徹底的受容のためのキーワード例
・まぁ、なるべくしてなった。今やれることに目を向けよう。
・起きたことは変えられない。
・変えられないもの(過去や相手)と闘っても無意味だ。
・変えられないもの(過去や相手)に囚われていると、人生が無駄になる(もったいない)。
・感情に囚われていると現実が見えなくなる。
・変えられるのは現在の自分の行動だけだ。
・過去があって今がある。今を変えていこう。
●徹底的受容のためのセルフトレーニング
最初から、感情を手放してあるがままを受け入れるのはむずかしいかもしれません。そのための練習方法があります。現実だけを受け入れて批判的な価値判断をしないための練習です。小さなことから始めていくと良いでしょう。
・人の話を自分の価値で判断せずに、その人の話としてあるがままに聞く。
・テレビやネットの記事を価値判断せずにあるがままに聞いたり読んだりする。
・一日の出来事を書き出し、客観的に見る(読む)。
徹底的受容のためのキーワードや練習方法は自分に合ったよりよいものを見つけ出しても良いでしょう。苦しみの感情に囚われ続けていると現実が見えずに、有意義なことが行えずに人生を非常にもったいないものにしてしまいます。カウンセリングではマインドフルネスを活用した徹底的受容のためのワークなども行っております。ご関心を持たれましたら、ぜひお気軽にお問合わせください。